「言葉にできない」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 ねこさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉にできない
二度目の鑑賞。
とにかく一本の映画としての完成度が高い。
ひとまず5をつけておく。
追記
炭次郎の飛び抜けた胆力、そして何より煉獄さんの熱き魂にしびれた。
もちろんこの作品は煉獄さんありき、なのだが、まずは炭次郎の心のうつくしさに涙してしまった。
一番は、煉獄さんとアカザのアクションパートがまさに死闘。手に汗にぎるとはこのことで、息をもつかせぬ制作陣の渾身の仕事に脱帽。
そして、炭次郎の「煉獄さんの勝ちだ!」に破顔し、最期の今際の際の青年らしい可愛らしい笑顔に、どうしようもなく涙が溢れてしまった。
個人的にえんむのキャラ、声もすごくすきだし、列車のディテールも高く、今まで観た実写も含めたすべての映画の中で完成度がもっとも高い作品のひとつとして挙げてもよいレベルだ。
さんざん指摘されているとおり、UFOTABLEさんのガチ度と、声優陣の渾身の演技が、原作のもつ優しさ厳しさ美しさ、魂を存分に増幅してのこの出来だと思うのでブラボー!手放しで賛辞を。
作品自体に対してはここまで。
余談になるが、やっぱりアニメ作品にはプロの声優さんを配役するのがしっくりくる。
ジブリ、そういうとこやぞ。
今回制作がアニプレックス、集英社、UFO TABLEの三者に占められていた功績もここにあるのかなと。
制作委員会とか設けられて、アニメなんか普段みない、原作も読まずに収益の部分にだけ関わってくるような大人があまり絡まず、単なる商業作品としてではなく、練り上げられた劇場版が誕生したのかと思う。
主要キャラやきぶつじ、果ては炭次郎の抱えるバックボーンすら説明がなく初見のひとを置いてきぼり気味で進んでも、それでも「魅せる」という心意気が感じられた。
けして原作読んでるの前提、というだけではなく、殊更にこの無限列車編では、原作わからなくてもこれだけみても舌を巻く出来なのだ、無限列車を観てから原作に手をつける人がいてもおかしくない。
鬼滅の刃のメディアミクスの成功こそが社会現象なのだ。
この映画に星ひとつを付けてるひとたちのレビューは、炭次郎の心の美しく広がるシーンと、その暖かさに触れて救われる結核の少年、煉獄さんとアカザのアクション、煉獄さんのあの笑顔、そのあたりのシーン、寝てました??と疑問をもたざるをえない。
自分自身、コロナ前に漫画喫茶で原作を途中まで読んで、アニメも半分もみてない状態だったけれど、上記のシーンだけでも震えた。
ただのアンチかもしれないが、最初から映画を愉しもうという心持ちでなく観に行っているのならさみしいことだなと思う。
素直な心の子供たちには、ストーリーの煩雑さや残酷描写もありながらウケたのだから。