「「無限」と対。限りある生命の尊さ。」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 ポンチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「無限」と対。限りある生命の尊さ。

2020年11月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

原作未読。アニメは「兄弟の絆編」「那田蜘蛛山編」のみ。
断片的な知識で理解できるかどうか不安でしたが、杞憂でした。

人間は誰しもが、自分が衰え、そして必ず死が訪れる事を知っている。限りある存在であり、そこからは逃れる事はできない。
しかし本作で人間と対峙する「鬼」は、斬首以外の傷ならば、いとも簡単に再生。衰えを知らず、まるで「無限」の存在のように振る舞う。
その鬼の本性に触れた時、煉獄氏(本作の真の主役デス!)が何を選択・決断し、どう行動したのかが、この作品のメインテーマなのではないかと思います(もちろん様々なテーマが幾重にも散りばめられておるのですが…)。

人間は、己が限りある生命を知るが故に、他人の為に生きたいと願う。自分の成し遂げた事を後に託そうとする。…この「他人の為に生きる」事こそ、他の動物とは違う、人間性の本質的な部分であると改めて感じました。
そしてこの映画において、その生命本質の美しさに触れ、皆が感動するのでしょう。歴史的大ヒット作になるのも頷けます。
逆に、自らの死を意識しない鬼達は、例外無く自己中な振る舞いに徹しております(見事な対比ですね)。

炭治郎(いちおうの主人公w)がクライマックスにて「煉獄さんは勝った!」と叫ぶのはまさに「生命への賛歌」であり「人間性の凱歌」であったように思います。

ポンチョ