「圧倒的な作画力」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 masakingさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的な作画力

2020年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

25歳の長男に誘われて鑑賞(笑)おそらくアニメは、娘が小さい時に鑑賞したポニョ以来である。
後追いでコミックにハマった口であるが、アニメの作画力には舌を巻いた。こんなに表現技術が向上していたのか。特に剣技の表現は、原作コミックとは異なる次元のスピード感が味わえた。原作の流麗さはやや薄まった感じがしないでもないが、これはこれで見応え満点であった。炭治郎が会得しつつあるヒノカミ神楽だけは、他の呼吸とは異なる静謐なニュアンスを強調して見せてほしかった。そこだけ減点。
主人公をはじめとした中心的人物には、すべて重い過去の業があり、それでも美しく逞しく生きながら成長し、家族や仲間との絆を確かなものにしていくあたり、まさにジャンプの王道である。特に40〜50代の昭和世代には安心だろう。憎き鬼に対してでさえ、最後に共感を示すところも、本作の魅力でありながら、ヒット作には欠かせない要素であった。
愛情で繋がれていながら、封建的でもある家族観は、現代の子どもたちの目にどのように映っているのだろうか。もしかして、失われつつあるものへの本能的な憧憬があるのではないかという仮説を立てながら見ていた。
実は、最も感動したのは、煉獄が中心となる終幕場面ではない。
エンドロールである。
今年、我が地元で創業したアニメーションスタジオが作画に関わっていることを、エンドロールに至って初めて知った。どうして地元の新聞やニュースで紹介していないんだろう。見落としただけだろうか。
いずれ、最もアガったのはここでした。それでポイントがアップしてます。

Masa_king01