「凡作」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 tkhrさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5凡作

2020年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

テレビシリーズのみ一通り観てからの視聴です。
絶賛しているファンではない前提でのレビュー。

前々からの広告効果のせいか遅い時間に映画館に行ったにもかかわらず、えらい盛況ぶり。ちびっこから大人まで幅広い年齢層の方が足を運ばれておりました。
映画館のグッズコーナーも久しぶりに見た人だかり&グッズの豊富さ。昔のまだ指定席ではなかった時代の東映アニメフェアなんかを彷彿とさせます。

そして肝心の内容はというと、
まずストーリーが冗長すぎました。
泣かせようという意図なのかちょっとお粗末。
映像は確かに綺麗で昔のセル画時代とはやはり違い、CGも巧みに取り入れてる。今のアニメはすごいと思う反面、いらないカットのせいなのかスピード感というか爽快感が失われています。戦闘シーンがかっこいいだけで、話が薄い。全く感情移入も出来ない。

特に列車での戦闘後、主役が誰なのかサンバラになった感は否めないです。映画という限られた枠の中で主題、主軸が分からぬまま終わった感じです。これが原作通りなのかもしれませんが、もっと脚本に説得力を持たせるべきだろうし、最初の敵だってもっと恐怖感出せる設定があるかと思えば残念としか言いようがないです。人気作品で漫画は未読ですが、過去の漫画作品の設定を上手くオマージュ、昇華させてるなと感嘆する一方で映画自体は残念でした。

tkhr
トカゲさんのコメント
2020年10月18日

私も無条件に絶賛するほどのファンではないんですけど、アニメも一通り観て、公開直後に映画館に足を運ぶ程度には鬼滅の刃が好きです。
この映画1本で完結する物語であったなら、tkhrさんの仰るとおり、戦闘シーンがウリなだけの凡作以下の作品だったでしょう。
でもこの作品は、冒頭からも分かる様に、アニメを見ている人に向けた作品で、且つ最終的に原作全編を観る(または読む・読んだ)前提で創られています。
ですからクライマックスに本来の主役である炭治郎が寝転がってても、前半に今回の主役である煉獄さんが寝っぱなしでも、今回の映画ではこれで成立していると思えます。
テーマも全体でとらえるか、今回の映画だけでとらえるか、でブレますし。
テレビアニメの主軸は炭治郎と禰豆子の兄妹愛でしたが、今回はほとんど
絡んでなかったでしょう?
今回の映画のテーマは何かと聞かれたら、やはり炭治郎の家族愛、あと分かりにくいですが、煉獄さんの家族愛、という事になるんじゃないかなと。
原作のある映画の、連作前提の1本を観ての評価は難しい、と言う事ですね。
とはいえ、この映画が凡作と評価されるなら、これまで世に出た連作映画の中盤作は、ほとんど駄作になるような気がします(あくまで私個人の所感です)。

トカゲ