「テンポが悪い。アクション、映像美は素晴らしい」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 四宮さんの映画レビュー(感想・評価)
テンポが悪い。アクション、映像美は素晴らしい
原作を追ってました。
原作自体モノローグ多めなのですが、それにしてもテンポが悪いです。アニメ版でもテンポの悪さを感じましたが映画も同様です。
鬼滅の刃のハイスピードな展開の良さが生きてないです。あとたまに挟まれるギャグも映像になるとなんか寒い…シリアスとギャグの間は変えてほしいですね。同じテンポや演出で進められると、どう反応したらいいのか分からなくて困る。
映像化に当たっては、誰が見ても決まった秒数で進むアニメ対個人がそれぞれのペースで読む漫画との違和感は必ず生じるものだと思ってるので、そういうところも含めてテンポ感は調整してほしいです。この制作会社さんの他の作品も観るに、それが一貫して残念に思ってしまうところです。映像は文句ありませんが間延び感が惜しい。
あと、なんか単調なんだよな…4人の夢の中で無意識領域の核を壊そうとするところ、それぞれの夢×4が続くのでダレます。週刊漫画と映画とでは盛り上がりの作り方が違うと思いますが、テンポの悪さが映画の山にも影響してて、どこが盛り上がりなのかやや分かりづらいです。緩急がない。
あとモノローグ中の他キャラの行動もテンポ悪い。反応遅いな、こんな大変な時に何してたの?この間何してたの?って思っちゃう。セリフを話す速度と読む速度とだったらどうしても話す方が時間が長いので、アニメになると漫画にはなかった違和感が生まれる。なので静画から動画にするにあたってキャラの動線はしっかりさせて、原作のコマのシーンを映すだけにしないで欲しいです。構成を組み替えるとか。
引き延ばしみたいなことをするくらいなら、全体のスピード感を速くして、そのぶんの尺をもっとねづこや善逸、煉獄さんの活躍を描くのに使って欲しかったです。そこが薄いので、煉獄さんの「君の妹を信じる」…などの一連の最期のセリフがなんか薄っぺらく感じてしまう
あかざと煉獄さんの戦闘シーンは文句なしに格好良かったです。そこからはどれくらい泣きのシーン畳み掛けるんだってくらい畳みかけられる。替えのマスクが要ります。
色々書きましたが映像の美しさには文句ありません。
鬼滅の刃という作品に合ったテンポ感と映画っぽい盛り上がり作りがあれば最高でした。
モノローグ多めなのは、漫画では静止画と説明文で処理できるような所を誰かに話させないといけないからでしょうね
でも私には、引き伸ばしどころか、時間内に映画として破綻させずに如何に原作をなぞるかをすごく頑張った様に感じました
最大の見せ場の猗窩座VS煉獄の時間を長めに取る必要があったでしょうし
とはいえ、仰るとおり善逸と伊之助の無意識領域のシーンは少し長すぎでしたね
それぞれが進入者を追っかけまわしているカット数秒で十分、原作から漏らさず、ギャグとして成立させる、が両立出来たはずです
それと、禰豆子が列車内で奮闘しているシーンは膨らませて、煉獄さんがそれを見ているというシーンなどを付け加えても良かったかなとは思います