「上がったハードルなんのその」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
上がったハードルなんのその
内容の感想については他に鬼のような数が投稿されるでしょうから割愛しまして、恐らく一部のファンでしょうが私と同じ心配をしている人がいるかもしれないので、そちら向けの感想となります。
アニメでブレイクしてから1年、各種メディアで鬼のようにプッシュされ続け、巣籠り特需も相まって青天井に上がり続けたハードルに正直ちょっと「age過ぎじゃね…?」と心配していました。
まるでジブリやアベンジャーズ、ディズニーやハリーポッターetc製作費300億円の超大作が公開されるかのような、いや、それ以上の盛り上がりで、バラエティを見れば芸人が鬼滅ネタを披露し、歌番組では必ずといって良い程紅蓮華が歌われ、朝のニュースでも鬼滅コーナーが設けられ、新聞を開けばどこかしらに「鬼滅」の文字が有るという状況。
「いやいや、元は深夜アニメでしかも単行本も出てる原作の内容を映像化するだけだよ?」と、もうちょっと抑えて欲しいなと思いながら迎えた公開初日。
映画館も『鬼滅シフト』の特別体制。2階のスクリーンと1階の受付を繋ぐエスカレーターは鬼滅の入場開始と同時に全て「上り」になり下りは無くなる。帰りは勿論逆であった。
席は遅い時間帯にも関わらず、観ていたら首を傷めそうな最前列以外ほぼ満席。
上でも書いたが所詮「深夜アニメの劇場版」である。
私のようなアニオタ的には作画とかBGMとか声優の演技とか、そういうのが良ければ満足なのだが、お客さんの中には話題に惹かれて観に来たライトなファンも多いだろう。
そういうお客さんにもし「ふーん、話題になってたけどまぁこんなもんね」と思われかねない内容だったらと思うと制作側でも無いのに不安になる。
確かにアニメ17話の霹靂一閃・六連や19話のヒノカミ神楽は素晴らしすぎる。あの出来ならばライト層にもきっと受け入れられる。
だが、今度は劇場版。2時間作品である。2時間あのレベルを維持出来れば、この上がりきったハードルでも飛び越えてお客さんの大半にご満足頂けるだろう。
そんな事が出来るのだろうか…。上映前は期待に満ちていた館内が、終わったあとはなんとも微妙な空気に包まれたという経験は今まで何度もしてきた。あんな経験を鬼滅でしたくは無い。
しかし、ヒノカミ神楽レベルの作画・演出を2時間作品でやるなんて、そんな事出来るわけが…
ufotable「出来らぁっ!」
出来ました。