「英国っぽいけどアメリカ映画」ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
英国っぽいけどアメリカ映画
舞台が貴族の館でミステリ作家が殺された謎解き…と来たら、英国ミステリかと思ったのだけど、米国映画でした。英国映画にある、シニカルなトークが無いのは寂しいけれど、プロットはよく練られていて、かなり楽しめます。
探偵役のダニエル・クレイグが渋い。ジェームス・ボンドとは一味違ったジェントルマンな探偵で、小道具のコインやコートなどが渋い。そしてなんと、アナ・デ・アルマスがメインキャストで出演。「ブレードランナー2049」でキュートな魅力を振りまいていた彼女である。丸顔で日本人受けしそうな可愛い顔立ちで、ハリウッドの中でも異質なキャラクター。本作でも嘘をつくとモドしてしまうという特殊な設定で、物語を引っ掻き回しながら自分も翻弄される面白いキャラクターを見事にやり切った。また、キャプテン・アメリカのクリス・エバンズが、ミステリ作家の遺産をねらう一族の鼻つまみもので、これまたイメージと違う役を綺麗にこなしていた。「ゲティ家の身代金」で大富豪を演じた名優クリストファー・プラナーや、「シェイプ・オブ・ウォーター」の敵役マイケル・シャノンなど、一筋縄ではいかないスロンビー家の面々を、個性的に演じていて飽きない。
少し曖昧なところもあるが、一流の出来栄えで、ミステリとして記憶に残る作品だ。
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