劇場公開日 2020年1月31日

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「ブランじゃなくてブランクって発音してなかった?」ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 mikyoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ブランじゃなくてブランクって発音してなかった?

2020年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

高慢な英国人を高慢なニューイングランド米国人に変換させたクリスティリスペクトで陽気な密室殺人映画。個人的に推理映画で大切なのはキャストを見ただけで犯人がわかってしまわないことだと思っているけど、俳優陣が濃くて、誰が犯人でも面白く、パッと見てはわからないことが高得点。

名探偵物はそれを売りにすることが多いが俳優さんは実際本当によかった。刑事さんはゲットアウトでかわいそうな目にあってたあの役の人だな、と思ってたら長女夫婦はゲットアウトに出ててもおかしくない感じだし。(「ハミルトン」日本でも上映してほしい。) ワトソンがあれっていったらあれでしょ?だし。(あれもあれな人だから殺害手段はあれ。) ゾッド将軍とヘレデタリーのお母さんとキャップとラブサイモンとITが親戚。

映画にはちょっとしたネタがあちこちに散りばめられており、物語はマサチューセッツのマンションで起きた事件で、探偵のブラン(ク)は「そんな訛ってるやつ昨今いるのか?」レベルに濃い南部訛りで、立ち位置としては英国人の中にいる外部の人であるポワロに近い。ポワロの名前は英国人にはほぼ正確に発音されないので、自己紹介することが多いが、ブラン(ク)も最後のCをはっきり発音して自己紹介してた。

死ぬのは推理小説で財をなした作家だが、ニューイングランドの人気推理小説作家といえば、片田舎で脅威の凶悪犯罪(殺人)件数をほこるキャボット・コーブにお住まいのジェシカ・フレッチャーを思い出さずにはいられないが、マルタが家に帰るとお母さんが見ていたのはスペイン語吹き替え版のMurder, She Wrote (ジェシカおばさん事件簿) だった。あの番組はその設定にかなりミス・マープルからヒントを得ていると思うが、ボストンなどのシーンはらしさを出すので当たり前だが、かなり Murder, She Wrote っぽい絵になってる。

アメリカローカライズもネタだったけど、開始シーンは推理ものではアルアルなのだが、英国ドラマとか見慣れている人にはありえないと思うと思う。ある意味アルアルシーンでありえなくてかなり笑った。

mikyo