「ヒューにドピューッ!」ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒューにドピューッ!
観客もそこに参加しているかのような一体感を覚えたほどミステリーの秀作でした。アガサ・クリスティに捧ぐというオリジナル脚本に加えて、豪華な実力派俳優たち。すぐに死んでしまう富豪のじいちゃんがトラップ大佐だし、キャプテンや007まで出演している。ギャラだけで凄い製作費になりそうな本作。犯人はわかってるんだし、あとは罪がどこまで軽くなるのか?くらいにしか思ってなかった・・・
そんな単純じゃない!と、鎮痛剤とモルヒネの関係だとか、10分以内と言われてるのに、もっと時間がかかってるだろうとか、ストーリーが進むにつれ徐々に頭の整理が出来てくる。密室劇の雰囲気からちょっとしたカーアクションも魅せてくれるし、アナ・デ・アルマスの「嘘をつくと吐く」という体質がコメディ要素を全開にしてくれるのです。また、ダメダメ探偵のように思わせておいて、ここぞというときに活躍する展開も良かった。
そんな本筋以外でも移民問題やネオナチ少年など、さらっと社会派要素も取り入れていたり、遺産相続の在り方も考えさせてくれた。とにかくみんな金が欲しいんだよ!と、家族それぞれの思惑があったり、ワトソンに任命されたアナちゃんの心理変化とか、見どころ満載になっていました。終盤になって大爆笑連続というのも新しい感覚でした。
実は私も…
こんな楽しい映画を政治色めいた要素で考えたくないのに、〝社会派要素〟が結構あったので、MY HOUSEをMY AMERICAとかMY WHITE HOUSEに置き換えて、そろそろ善良なルールの人に代わってくれ、という監督の願望なのかなぁ、と思って見てました。