劇場公開日 2020年2月1日

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「『最強のふたり』よりも良かった(評価は人それぞれ)」淪落の人 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5『最強のふたり』よりも良かった(評価は人それぞれ)

2020年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

 事故で下半身麻痺となったリョン・チョンウィンの元にフィリピン人女性のエブリンが家政婦としてやってきた。家政婦とはいっても食事・掃除以外に介護もしなければならないし、最初は言葉が通じないという状況だった。元看護士のエブリンは、同じく家政婦として香港にやってきた仲間とはタガログ語で喋り、ご主人様のチョンウィンには英語で接するのだ。すぐにでも解雇されそうな状況だけれども、チョンウィンにしてみれば次の家政婦がいつ見つかるかもわからなく、エブリンとしても解雇されれば強制送還となってしまう弱みがあった。

 なぜか障がい者ものの作品は裕福な家庭が多いけど、この映画はどちらかというと二人とも貧困層であり、公共住宅の各部屋も狭い3DK。主人公演ずるアンソニー・ウォンといえば、警察上層部かマフィアのボスといったイメージを持っていましたが、こうした役も意外と似合ってる。怖そうだけど本当は優しい中年男。意思疎通のために英語を勉強し始めるところもお茶目だ。

 障がい者映画によくあるエピソードも散りばめながら、実は香港やフィリピンの現実や外国人差別等の社会問題をも静かに訴えてくる。世の中で成功するのは100人に1人というフィリピン出稼ぎの現状と離婚問題。しかし夢だけは失ってはいけないと、チョンウィン、エブリンがお互いに相手のことを気遣う心がとても美しいのです。絶妙に季節感も描き出しているのですが、彼らの夢の前には吹き飛んでしまいそう。

 ドリームギヴァー。夢を叶えようとする人と、夢を叶えてあげたい人。最もそれが伝わってくるのがやっぱりカメラ。多分一月分の賠償金による収入くらいの金額なのだろう(想像)。

 オリバー・チャン監督って知らなかったけど、フルーツ・チャンの息子なのかな?フルーツ・チャンといえば『美しい夜、残酷な朝』のオムニバスと『THE JOYUREI』でしか知らないけど、とにかく映像が妖しく綺麗だったことが印象的。満点にしなかったのは、妹の苦悩がよくわからなかったからです。

kossy
talismanさんのコメント
2021年6月8日

kossyさん、コメントありがとうございます。アンソニー・ウォンがこういう役!と思いましたが、合っていて素敵でした。

talisman
CBさんのコメント
2020年6月18日

コメントありがとうございました。
> 途中から翻訳アプリ使わなくなったのも、よかったです

そうでした、そうでした。思い出させてくれて、ありがとうございます!

CB
Bacchusさんのコメント
2020年6月18日

不思議な井戸端会議でしたよね。
外国人労働者に限らずですけど、マジメに頑張っている人は報われて欲しいものです。

Bacchus