劇場公開日 2020年2月1日

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「心地良い爽やかさ」淪落の人 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5心地良い爽やかさ

2020年4月11日
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原題のStill Humanは「俺(私)はまだ人生諦めていないぞ!」といったところだろうが、実際はそこまでのアクの強さはなく、むしろハートウォーミングな柔らかい話。
香港映画と言えば、派手なアクションやハードボイルドなものが定番だが、この作品はそれとは180度対極の地味な物語。BGMも日本のラブストーリーのよう。
主従関係から互いの境遇の理解を経て、ほんのりと淡い男女の感情の萌芽へと気持ちが移ろいでいくという展開は青臭さも感じさせるが、嫌味のない程良い爽やかさ。
三遊亭小遊三そっくりなアンソニー・ウォンがところどころで見せる物憂げな表情が不思議と味わいを感じさせるし、家政婦エヴリン役のクリセル・コンサンジの健気でありながら知性も感じさせるイメージも役柄の設定に合致していて、いい人選だと思った。

ただ、上映館が少ないのが勿体ない。
新作の公開延期が相次いでいる今ならば、もっと多くの映画館が上映に踏み切っても良いのでは? と思わせる良質な作品。

藤崎修次
藤崎修次さんのコメント
2020年4月14日

ミニシアター向きの地味な作品だから仕方ないのかな

藤崎修次
CBさんのコメント
2020年4月14日

> もっと多くの映画館が上映に踏み切っても良いのでは?

ですよね〜。

CB