「自分以外の誰かの夢が叶うように応援することは、巡りめぐって自分自身をも幸せにしてくれます。」淪落の人 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
自分以外の誰かの夢が叶うように応援することは、巡りめぐって自分自身をも幸せにしてくれます。
タイトルからは何となく薄暗い作品のイメージを受けていました。
なのに、ボスターを観た感じはとても暖かいもの。
そのギャップが気になっていましたが、観る機会があり鑑賞です。
私の中で香港映画というと、カンフーアクションのイメージがあります。
ブルース・リーやジャッキー・チュン。 …違った。チェン
この作品は、そのイメージとは違うハートフルなお話でした。
事故に遭い、車椅子で生活する男。 中国の人。
その主人公に雇われた女性。 フィリピンの人。
この二つの国の間にも経済格差があるらしい。
最初は言葉も通じない二人。
男は広東語。 …って、中国語とは違うのやら…
女はフィリピン語。 …って、タガログ語?
身振り手振りのコミュニケーションに、カタコトの会話。
それでも少しずつ縮まる二人の距離
ある時
男は、彼女が心に秘めた「夢」のことを知る。
「写真家になりたい」
自分の身の回りのことすらまともにできない男
そんな男の心に、ぽっと明かりが灯る。
「この娘の力になりたい」
そして…。
◇
この作品、派手な展開のお話ではありませんが、
全体を通して優しさが感じられます。
「相手のために、自分にもできることがある」
それに気付けたら
そういう相手がいたら
とても幸せなことかなと思います。
風邪気味の日に、温かいくず湯を口にしたような そんな
ほっと心暖まるお話でした。
◇
ポスターのデザイン
どこかで見た気がするのですが… ふむ
「車椅子に乗る人 + 後ろで押す人」
…
ああ 「最強のふたり」
「ハリウッドリメーク版」もそんな感じです
動く方向も「左から右へ」。
絵になりやすい構図なのでしょうか。
探せば他にもありそう。
ヒロインさん
フィリピンの女優さんらしいのですが
どことなく和風なたたずまい。
知的な印象も受ける、キレイなおねーさんでした。
これからの活躍にも期待。
切ない場面
風呂場で転倒したヒロイン
さっそうと助けに行く自分の姿 …を一瞬夢見る
男の叶わぬ想いに
つい、ホロリ
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。