フォックストロット・シックスのレビュー・感想・評価
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メイド・イン・インドネシア
アクション映画が若者に人気なのはインドネシアも同様、製作・脚本・監督のランディ・コロンピスさんは長編初監督というのもあって、ハリウッド映画で目の肥えた観客に受けるには本場の支援者が必要と考えたのでしょう。「ランボー」、「ターミネーター2」などを製作したカロルコ・ピクチャーズの元CEO兼プロデユーサーのマリオ・カサール氏に脚本を持ち込み口説き落とし製作総指揮に迎えました。そう思えばターミネータ風のシーンやランボーを引き合いに出すセリフなど関与の色合い、腑に落ちました。製作はハリウッドスタイルでセリフも英語、海外市場も視野に入れたSFアクション映画となりました。
人類滅亡云々とのキャッチコピーですが大風呂敷、穀物支配で自国が世界の頂点に立つという国民感情へのゴマすりネタでしょう。民主派を装いながら私利私欲に走る大統領一派の陰謀に失脚させられた元大統領の立ち上げた抵抗組織が立ち向かう成敗ものでした。
フォックストロット・シックスとはネイビー・シールズのような精鋭部隊の6人、昔の仲間を集めて悪の傭兵軍団と真っ向勝負、この辺は黒澤映画以降の定番の導線でしょう。
お国柄なのでしょうか、権力者やメディアへの不信感は根強いようですし、主人公も根っからの正義の人でなく改心したリーダー像というのも人間臭い、最後は若者や民衆が蜂起というプロットにも主役は観客と持ち上げるそつのなさ。SFといっても透明マントや装甲スーツ程度と高望みせず、アクションシーンも肉弾戦重視で生々しいのでバランスが良い。大衆迎合臭が強いのは気になったが結構面白く鑑賞。予算もかかったでしょうが目指せボリウッドとのインドネシア映画人の必死の思いが伺えます。
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