悪なき殺人のレビュー・感想・評価
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愛とはないものを与えること。あるものを与えるのは快楽だ。
ラスト3秒に、人間の怖さが詰まってる
脚本や演出が秀逸、話が一周するのは気持ちいい
悪魔的偶然のヒューマンミステリー。見て損なし。
すんごく面白かった。上質のミステリーでもあり、ちゃんと現代のドラマにもなっていてこれぞストーリーテリング、ってのを観た。
黒人の貧民街風の国(コートジボワール)と寒い冬のヨーロッパ、ふたつの国に共通するフランス語。そして始まる寒々しい冬の田舎町の夫婦のドラマ、不倫、失踪した女の事件、失踪する夫。視点替えしてなるほど、とか思ってるとまさかのアクロバティックな絡みで事件の事実、しかもかなり奇妙な、というか、悪魔的偶然で事が起き、人が出会い、人が死んでく様が描かれる。
最後の最後のはそこまで偶然でなくとも、と思ったりもするけど、南の国の猥雑な貧民街の彼女の顔が、人もいない寒々しい高級別荘に佇む様が、このアクロバティックな物語の締めによかったのかも、と思った。
ヴァレリア・ブルーニただ好き
見ようかどうか迷っていたのだが、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが出ていると知って、背中を押された。フランソワ・オゾンの映画で初めて知ってから何本か見てきたが、この映画出演時には彼女も早55歳。これからは配役の傾向も変わってくるんだろうなとは思う。
登場人物たちそれぞれの視点で各章つないでいく構成は良いが、最後の“アマンディーヌ”のパートが、(全体のネタばらしもあるからいたし方ないのかもしれないが)長いしダレる。殺人に至るまでの錯綜した因子の組み立て方はなかなかうまいと思った。複数視点と言えば、同じテデスキさんが出ている「人間の値打ち」も似たような作りの映画だった。
邦題は意味不明。“悪”がないわけないし。原題は最初の方で、ジョゼフについてアリスが言及した「動物だけを話相手にしている」に由来しているのかと私は解釈したが…?
意外と面白い
面白い。
見終わった瞬間、立石タイガーの「コマ割り絵画」や「虎の絵」を思い浮かべてしまった。
ある事柄を当事者側から見た事実として、輪廻していく。それぞれの事象は、ちょっと突飛だったり、ご都合主義的な事が多かったけれど、作品全体として非常に上手く出来ていて、面白かった。
こういう方法を取れば、限りなく面白い映画が出来てしまうのではないだろうか?と思わせてくれた。
冒頭シーンは、引きカメラで冬のフランスの農場を写す、とても絵画的。そして寒々した夫婦関係がなお一層、冬の厳しさを思わせてくれる。で、一転 暑苦しい部屋でPCを操っている黒い人たち。白から黒への急転。
そして、ネットの中の美女に夢中になってしまうミシェルは、『ジュリアン』に出ていたお父さん😳うーん、顔にインパクトあり、私には、クラーナハの豪胆公に見えてしまう。ま、そんなに威厳は無いのだけれど🤔そしてもう一人、マリオンは、ジョン・カリンが描く女の子に似ていて非常に魅力的だった。
私には、色々な絵画を思い起こさせてくれた映画だった。
⛄️・🚙・🐕
雪が降り頻るフランスの山奥の町で1人の女性が行方不明となった。
事件の関係者は町の人間から遠い異国まで広がり、偶然によって全く関係のなかった人物までもが事件へと結びついていく。
やられた。面白い。
一つの愛が他の愛を呼んで偶然が連鎖していく。
章立てになっており、ひとつひとつのピースが型にはまって大きな物語が構築されていくが、この映画のジグソーパズル、完成はしない。
それぞれの登場人物たちの物語はそれぞれ途中で終わりを迎え、彼らのその後は描かれていない。
そして、ラストのあの展開。
まだまだ終わらなそうな偶然にワクワクしながらの幕引き。
やりすぎとも言える偶然の連発には思わず笑みが溢れた。
正直、悪なき殺人などないと思う。
作中でも実際に手をかけた人物のあの行動は悪ありまくりだった。
不倫とか詐欺とかストーカーとか、寧ろ悪で溢れかえっている。
ただ、この映画は殺人がどうだとか不倫がどうだとか、そういう話ではない気がする。
全く説教染みずに多様性を描ききったのも評価ポイント。
国、人種、愛の形。
昨今、ポリコレがなんたらで作品自体が別物になることもあるけれど、ミステリーというエンタメの中で何気なく多様性を描けるって素晴らしい。
グローバルになった世界では、地球人である以上完全に他人でいることはできないのかもしれない。
人間は偶然には勝てない。
人と人、時間と時間が繋がった時の爽快感が堪らない傑作だった。
これは駄作です。(ネタバレ有り)
構成が良かった。
・冒頭のシカ?は何だったんだろうと思った。
・詐欺?のチャットで使った画像の人物が実際に目の前に現れるっていうのが、とても面白かった。
・マリオンの画像や動画はどういうとこから見つけたのかなぁと思った。ウェイターじゃなくて娼婦だったのかなぁ。
・ミシェルがアフリカ?に直接会いに行って怒りをぶつけるのが面白かった。マリオンもだけど行動力が皆凄い。最後、チャットしてきてのは誰だったのかな、と思った。
・アフリカ?の暮らしの栄枯盛衰の感じがすっごい切なかった。今も好きな前妻が外国の金持ちに囲われてる?のも、絶望的な気持ちになるなぁと思った。ラスト、マリアンの夫がフランスの家に連れてきてたとこで幕が降りたのが、えっ?ここで?と思った。
・皆、成就しない片思いの果てって感じと冬の景色も相まって寂しくなった。両思い以外に片思いって何であるんだろう、と思った。
・各チャプターの構成がとても良かった。因果関係がわかった時、なんかスカッとした。特にジョゼフとミシェルの感情の乱れが面白かった。
「羅生門というよりはBABELを彷彿。一発の銃弾から物語が始まった...
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