劇場公開日 2021年12月3日

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「愛とは、無いもの与えること」悪なき殺人 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5愛とは、無いもの与えること

2021年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

難しい

1人の女性の失踪事件を軸に、5人の男女の絡んだサスペンス群像劇。舞台も中盤まではフランス、後半からアフリカと変われば、5人の偶然と運命が交差したりと、『バベル』を思わせるような作り。
5人の中で、ジョセフがアレに執着した理由とか、マリオンが何故ああいった写真や動画をアップしていたのかなど、人物背景の点で不明瞭な部分もあるけど、5人それぞれが抱える秘密が予期せぬ事態へと繋がっていくあたり、目が離せなくなる。
5人の中でも、特にミシェルの情けなさに哀れみを覚えてしまったが(演じるドゥニ・メノーシェが大ハマリ)、彼はあの後どう落とし前を付けたのかが気になる。
インチキ臭さを醸し出す黒魔術師の言葉「愛とは、無いもの与えること。快楽とは、あるものを与える」が実に深い。
邦題について言わせてもらえば、「悪なき殺人」はなんか抽象的すぎてピンと来ず。ここはやっぱり東京国際映画祭で公開された際に付いていた、「動物だけが知っている」で良かったんじゃなかろうか。

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