「どちらが善か悪か… どちらも悪?」ジャスト6.5 闘いの証 葵蘭シネマさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらが善か悪か… どちらも悪?
警察(善)vs麻薬王(悪)という単純な作品ではなかった。
悪のはずの麻薬王が、幼い息子に罪を着せて保身を図ろうとする毒親をたしなめ、また自身亡き後の家族の行く末を案じて涙を流す…
善のはずの警察官が、犯人逮捕のためなら脅迫や調書の改竄をし、果ては自己保身のために同僚を牢にぶちこもうとする…
どちらが善なのか… そもそも善は存在しないのか…
イラン映画らしい、早口に捲し立てる様な台詞回しが作品の緊迫感を際立たせていた。
貧困を背景に、犯罪に手を染める者たちでごった返す留置場や、一向に減る気配のない薬物犯罪。
そして、麻薬王の最期など、中々に救いのない終わり方だった。
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