「バイオレンスさが映画作品として更に魅力を増していた」ジャスト6.5 闘いの証 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
バイオレンスさが映画作品として更に魅力を増していた
ストーリーとしては主人公の麻薬捜査官が巨大な麻薬組織のボスを捕まるよくある作品での一つである。
序盤は下っ端を捕まえ、そして彼らを強引に捜査していくことでボスまで辿り着くストーリー展開である。
ボスを捕まえた後は更に彼に関連する組織や人物を追っていくわけだが、その道のりに終わりが見えず終わりなき道はまだまだ続く。
作品の大半は麻薬捜査官の刑事の視点で作品は展開されていくが、この作品の面白いところは最後の30〜40分くらいは捕らえた麻薬王のボスの視点に変わる。
彼は彼なりに幼少期を貧しく過ごした経験から自分をそして家族を裕福にしたい一心で犯罪を繰り返していた描写が描かれる。
ただ元カノには存在を警察に売られ、そして最後は家族も彼が犯罪で稼いで得た富を手放す決断をされるなど、命懸けで稼いだ金は一時のものとなってしまいボスは落胆する。そして死刑となる。
この辺の悪い事をしたお金の存在価値の描き方は上手く感じた。
決してこの描写はボスに対して同情を誘うわけではない。良し悪し関係なく各々視点で作品を描かれておりそれがこの作品の魅力の一つであった。
そしてこの作品の最大の魅力はバイオレンスだろう。
24のジャックバウアーとまでは言わないが捜査官たちが非常に暴力的に捜査を進めていく為映画作品として更に魅力を感じ魅了される。
麻薬王のボス以外の囚人も見た目の汚さが妙にリアルに感じたり、子供を売ってまで保身に走る親の醜さ汚さなんかもこの作品のバイオレンスさを増し楽しめる。
見慣れないイラン映画ではあったが、とても見やすく感じた。時間も2時間を超える長作ではあるが個人的にはあっという間に感じとても楽しい時間であった。