「素晴らしさと微妙さの狭間」約束のネバーランド ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしさと微妙さの狭間
イザベラママ役の北川景子、ネットでは演技力がないなどと言われているが、私は今作、素晴らしい演技だと思いました。
渡辺直美のクローネは、もう直美そのものみたいな面も含めて私的にはありでした。
原作未読なので、もっと深く描いて欲しかったのがミネルバさん。なんか惜しい描き方に感じました。
子役は浜辺美波については演技力は分かりませんが、エマの面倒くさくなるほど善人なところと彼女の雰囲気が合っていて、観ていて応援したくなるキャラに仕上がっていました。
ノーマン役の方は知りませんでしたが、ちょっと繊細で神経質そうな役とよくリンクしていて、とっても良かったです。
反して非常に残念だったのは、レイ役の城桧吏。
万引き家族のあの才能は幻だったのかと思うほどの棒読みで、いや、あの役には感情の起伏はあまりない方が良いから適任だったのかもしれないけれど、声が聞き取りにくいシーンもあって勿体ないと思いました。
レビューを読むと、変声期に入っちゃってたとか。
ちょっとタイミングも悪かったのかもしれません。
ラスボスみたいな配役に三田佳子が現れたとき、すごい似合ってない金髪のカツラをつけた松坂桃李が悪役で出てきたことには良い意味で裏切られ、夫婦で爆笑。
全体的には好きです。
でもやはりどうしても、私を離さないでとかぶりすぎな印象が拭えませんでした。
それと、人間の脳を喰らわないと鬼の知性が保てないという設定なのに、そこにつけ入らずに従い続けているのは無理があると思います。
脳を与えなきゃ知性を失い単なるケモノとなるのなら、その方が倒しやすくなるのでは?と考えるのが自然です。
そうすれば現実世界がそうであるように、食物連鎖の絶対的頂点みたいな勘違いをして偉そうに振る舞うだけの生き物になるわけで、まぁ面白くも何ともないですけど…