「実写化の成功例だと思います。」約束のネバーランド じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
実写化の成功例だと思います。
原作に忠実と言えると思う
いい映画だった。
実写化はほぼ失敗するが、アニメの第1シーズンをなぞるような展開で、知っている人にも知らない人にも納得出来る脚本だった。
それは、諸刃の剣でもある。
長い話を2時間程度にまとめるのだから、ダイジェスト版になる危険がある。話を短く端折るために、全然違う話になってしまうこともあるがそれがない。
若い俳優さんたちの真摯な熱演は心を打つ。北川景子と渡辺直美は余すところなく魅力を発揮し、この物語をつくりあげた。悪役が悪役として魅力的なら、ほとんどの映画は成功するだけに、2人の演技はさすがの一言。舞台化も面白いと思う。
主役3人の中では特にノーマン役の板垣李光人(リヒト)くんが良かった。彼のための役だった。特に声が良かった。
浜辺美波は、商業的には理解できるが、せっかくの子役を使える機会だから、フレッシュな子にやらせたかったなあ。いい子がいますよ(〇〇の呼び込みみたいだな)
ノーマンが出荷された後、諦めたフリしてドンたちにトレーニングをさせておくんだけど、戦略的な逃げ方や、弓矢やロケット等の訓練も、もう少し丁寧に描写してくれると気持ちが入って良かったと思う。
ママとレイの関係にママは気づいていたのなら、自分の子を喪う苦悩のようなものがあってもいい。最後の言葉にも重さが出ると思う。また、最後は鬼に殺されたことを匂わせて終わるけど、不必要な表現だと思う。
原作でも謎だったのだけど、シスターからノーマンを経てエマに渡るペンだ。シーズン2で重要なアイテムとなるこのペンは、なぜもたらされたのか。
とは言え、話の展開を知ってから見ても十分に楽しめる良作だと思います。
エンドロールの「ずっと真夜中でいいのに」の歌はとてもよく合っていた。