「雑な実写化」約束のネバーランド サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
雑な実写化
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原作既読者です。GP編までは楽しく読んでいたので、GF編はファンだった。
なので、日本人をメインキャストに据えての西洋ファンタジー実写化や、そもそも2時間で終わりの映画には不向きな題材であることに強烈な不安を覚えていた。いざ鑑賞して、これらの不安はまったく大したことではないと、その点は安心したのだが、別のところで否定的意見を持つに至ってしまった。
まず、鑑賞したならば誰でも思うことだろうが、エマ・ノーマン・レイの3人の中で、レイ役の子の演技が全くあっていなかった。エマ役が20歳、ノーマン役が18歳、レイ役が14歳なので単なるキャリア差や声変わりなのだろうが、演技力の差が大きかったり舌足らずだったりで観ていられなかった。
次に、エピソードの取捨選択をほとんどできておらず、ただただ原作の垂れ流しになってしまった点。第一話から順にただただエピソードを消費するだけで、連載漫画特有のヒキを映画に落とし込めていない。連載漫画は数話に一回、最後のページをヒキにする。
が、本作ではヒキのシーンでもごくごく普通に流される。きちんとひいたのはノーマンの出荷が決まったシーンくらいだろうか。内通者暴露シーンですらすい~と流されてしまって逆に驚いてしまった。
とはいえ、ラストシーンまでそつなくこなし、何よりレイを除いた俳優の演技は最高に良かった。特に浜辺さんに板垣さん、そして何より北川景子さんですね。「西洋ファンタジー題材なのに日本人キャストかよ!?」という不安は浜辺さんと板垣さん2人で取っ払ってしまった。そして北川さん。ママの恐ろしさ、計算高さ、愛情深さをその身一つで表現しており、本当にすばらしかった。
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