「visualは◎」約束のネバーランド U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
visualは◎
ノーマンの喋り方がウザい。
キャラといい、ロケといい、visualは◎だった。
漫画原作への正しいアプローチのような気もする。
ただ…まぁ贅沢と言われればそうなのだろうが、外見を寄せる事は出来ても、演技としてのハードルは越えきれなかったように思う。
子役の水準は上がってきてるとはいえ、世界水準にはまだまだ届きそうにない。
今作は「ハウス脱出編」のようなくくりで、比較的前半のエピソードが語られる。
キーとなるワードは踏襲するも、かなり早足で…閃きもなければ気付きも薄いようで萎える。
3人vsママの知恵比べというか、マウントの取り合いというか、かなり入り組んだ知略戦が醍醐味のような気もするのだが…それを経た後の「皆で脱出」って結末に舵をきったような作りで残念だった。
尺を変えずとも、もっと編集やカットでいくらでも表現できるような気がするのだけど、なぜそれを選ばなかったのだろうか…?
原作があるという弊害なのだろうか?
元ネタを観客の大半が知ってるだろうって見地から、ココのネタを引っ張ってもルートが分かるからミステリアスにもサスペンスにもならないって事なのかしら?
俺は見たかったけどね。
ゾッとするようなママの冷たい目や、満面の笑顔の裏で震えるエマの手とか。
窮地や絶望感を払拭してこその勇気だろうに…。
その壁が低けりゃ相対的な勇気の熱量も少なく見えるわ…あー、食い足りん。
北川さんも大健闘だったのだけど…この方はきっと根っからの善人のような気がする。
陽の芝居は上手くても、陰の芝居が苦手というか…残酷さとか冷酷さとか、謀略とか策略とか、おおよそ人が持つ負の部分の才能が欠けているような気がする。
ご結婚なさってお子様が出来たりして、世の理の不条理に正対したら良い女優さんになるのかもしれない。
作品自体もそんな感じで…エマの前向きな性格に引っ張られ過ぎて良い子な印象。
エマとは正反対の、エマの中にでもあるであろう、絶望の描き方が足りなかったようで悔やまれる。
余談かもしれないが。
今回1番のハマり役は渡辺直美さんだった。
ビジュアルといい圧といい…流石に芸達者。
お見事でした。
あ。
レイの幼少期を演じた子には、ちとビビった。
誰だろ?声のトーンといい、全く力みを感じなかった。