「映画化企画自体に無理を感じた」約束のネバーランド コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
映画化企画自体に無理を感じた
最初に宣伝ビジュアルを見た時の直感から、もっと壊滅的な仕上がり(★0.5くらい)を予想していたため、案外よかった。
エマ役は演技の大げささが、レイ役は滑舌の悪さが気になりはしたものの、北川景子の存在感が作品的に大きく、役者的な問題はあまり感じず。
渡辺直美も、好き嫌いは分かれるだろうが、個人的にはアリ(インパクト面で人気のクローネは、誰がやっても異論、批判は出るだろうし)。
本作の問題はストーリー…というか、脱出の計画が、原作からあまりに省略しすぎなので、「ママとの攻防が淡白すぎ」「農園の警備がザル過ぎない?」って印象が強くなってしまった。
これは、監督や演出、脚本、役者の演技がどうこうじゃなくって、原作が本来心理戦と頭脳戦主体だから「尺」や「話数」「どんでん返しの連続」が必要なので、2時間1話の「映画」って手法を選択したのが原因だと思いました。
実写でやるなら、ネトフリやアマプラあたりで、潤沢な予算にて5〜6話程度の連続ドラマとかがよかったんじゃないだろうか?
キャストも白人の子供を使って、初期のハリーポッターのように「まんまじゃん」って感じで、無理に日本人が白人にコスプレしたみたいにならない方がいいんじゃないかと。
(調べたら、アマプラでそんな企画があるみたいですが)
ただ、制限のある中で作った作品と考えると、出来は悪くないと思います。
破綻せず最後まで見せた内容に、『JIN 仁』『天皇の料理番』『僕だけがいない街』の平川監督らしい技が光っていました。
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