「犬死んだり暴力表現はある」イン・ザ・トール・グラス 狂気の迷路 宜山風さんの映画レビュー(感想・評価)
犬死んだり暴力表現はある
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紹介してくれた人と話しましたが、日本人固有の怖さの受けとり方の違いなのか、製作サイドの望んだ怖さの受けとり方ができない部分はありました。
邪教とか因習村に慣れてしまっているので、怖いというより胸糞という感情が強く、草の中から呼ぶ声や最初に出てくるトービンたちにたいしても「あー、妖怪ね」て気持ちでした。
囁く草も、CGに頼らない撮影らしく、自然由来の怖さも受け入れてました。
ただ、海外特有の演出や音楽による怖さや不安煽りでしっかりめに怖かったです。
ざっくりまとめると、
謎の岩により草の迷路から抜け出せなくなり、if世界を繰り返す。そこからどう抜け出すか。みたいな内容。
岩に触ると、その人の人間性が強く出るようで、ストーリー中、殺人鬼役を勤めたパパは「高圧的で支配的」な面が出ていた気がします。
岩は恐らく、産みたてホヤホヤの赤ちゃんを捧げることでなにか恩恵を得られるんだと思いますが、「お、因習村」という感想が先にたちました。
トラヴィスがラスト、出られなくなる覚悟でベッキーとトービンを生かそうとする決死の選択や、どんな過酷な状況でも未来をどうにかしたいと足掻き続けるトービンが好きでした。
助かった世界線のベッキーは子供を育てる決心をしましたが、その世界線にはまだ子供を受け入れないトラヴィスしかいないことが少し悲しいです。
原作としてのテーマは贖罪かも知れませんが、私は愛の物語として受け止めました。
ただ、本当に好き嫌いが別れそうなので人には軽率に勧められないなと思っています。
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