劇場公開日 2021年4月2日

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「【現代日本の農業が抱える問題を軸にした、加賀蓮根の跡継ぎを避けた若者の人間としての成長物語。】」種まく旅人 華蓮(ハス)のかがやき NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【現代日本の農業が抱える問題を軸にした、加賀蓮根の跡継ぎを避けた若者の人間としての成長物語。】

2021年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

ー ストーリー展開には”穴が幾つか開いている”し、”先も見える”のだが、吉兆の印だろう・・、
と考えながら鑑賞。ー

■感想

・現代日本の農業が抱える、高齢化、後継者不足、収入の不安定、女性の就農と言った問題を、きちんと絡ませて物語は構成されている。
ー 今作は、鑑賞側が知りたいポイントはキチンと押さえている・・。ー

・加賀蓮根と言えば、金沢野菜として、京野菜と並びブランド化され、収入は安定しているのかと思っていた。
 が、今作では気象の激甚化が進む現代、天候により、蓮の葉が被害を受け、数千万の借金を抱え、跡取り息子の良一(平岡裕太)はキツイ蓮根農家になる事を嫌い、大阪の信用金庫で働いている・・。
ー 安定した仕事に付きたい・・と、跡取りを拒否した彼の気持ちは、分かる気がする・・。恋人も市役所に勤め、このままいけば普通に安定した結婚生活が待っている筈だったが・・。ー

・農林水産省から、農業活性化にために視察に来た神野(栗山千明・・久しぶりだなあ・・)は、農家の男尊女卑思想の払拭や、様々な問題を解決したいと意気込んで、金沢に来るが・・。
ー 良一の恋人が、彼が農家を継ぐと告げた際に言った言葉
  ”農家の嫁にはならない。安定した仕事をしてほしい・・”
  農家と縁がない、幼き頃親を亡くし苦労した女性の言葉としては、分かる気がする。
  だが、ふと思ったのは
  ”安定した仕事なんて無いよ・・”と言う事と
  ”農家って、男尊女卑社会かなあ・・、支えて居るのは女性達ではないのかなあ・・”
  の2点である。ー

<良一と恋人を、再び結び付けた蓮根。
 少し、出来過ぎ感はあるが、日本の農業が抱える問題をキチンと扱った作品として、価値ある作品ではないだろうか。>

NOBU
kossyさんのコメント
2021年4月3日

NOBUさん、コメントありがとうございます。
今は繁華街も閑散としていて、昔の面影すらありません。今年いっぱいそうなるのかも。
加賀野菜チップスなるものも発売されてますが、ちょっと量が少なすぎ…

kossy