悪人伝のレビュー・感想・評価
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バイオレンスは韓国映画
後から後から面白い作品ばかり湯水の如く発表され続ける韓国映画界は圧巻だ。物凄いエネルギーが韓国映画界を席巻しているのは周知の事実である。カメラワーク、CG、脚本、俳優、セットetc、もはやどれを上げても国際的なレベルである。テンポも良いし、多少のアラがあったとしても、それをものともしない仕上がりには必ず満足を覚える。特にアクションシーンは秀逸である。これがハリウッド等の洋画になると拳銃や機関銃で簡単にバタバタと人を殺すが、韓国映画は素手、鉄パイプ、刃物等での肉弾戦。これはかなり興奮する。ナイフではない、ドスでもない。細見の刺身包丁で相手を突き刺し、斬り付けるのである。これはとても新鮮だ。簡単に人物を処理せずに、双方血塗れになっての格闘シーンはエゲツなさも相まって、かなり見応えがある。マッチョなマ・ドンソクがそんな血塗れの格闘シーンに登場すると、これは画になる。見ようによってはサディズム丸出しの変態とも映らなくはない。そんな、血塗れ、傷だらけの凄惨な姿で立つ彼の次回作が楽しみだ。
凶悪ヤクザを演じるマブリーの魅力全開!
“ゾンビを素手で制圧する男”ことマ・ドンソクが主演を務める本作は、
“ヤクザと刑事の共闘”というありがちな設定ながら、痺れる展開てんこ盛りの上質韓国ノワールでした!
ある事件をきっかけに、凶暴なヤクザ組長チャン・ドンスと荒くれ者のチョン刑事が、
無差別殺人鬼を捕らえるため協力して調査を進める姿を描きます。
なんといっても、組長を演じるマ・ドンソクの極悪っぷりと、はにかみ笑顔のギャップに魅了されました!
登場シーンから惚れ惚れするような筋肉を披露したかと思えば、すぐさま現す凶悪な素顔に戦慄させられる一方、
時折見せる柔らかな表情には思わず癒されること間違いなし。
闇社会の支配者でありながら子分から厚い信頼を集める人物造形は、
“マブリー”の愛称通りキュートな一面を持つマ・ドンソクだからこそ体現できた役柄でした。
そんな彼とチョン刑事の鏡像関係も見どころの一つ。
部下のしつけ方、相手を出し抜くしたたかさなど共通点はあるものの、
それぞれが“法による制裁”と”暴力による制裁”を望んでいたり、
人を殺めるという行為に直面した際の反応が極端に違ったりと、
協力関係にあっても決して同じ世界の人間ではないことが強調されています。
またストーリーについて言えば、キレッキレの戦闘シーンと、彼らの交流によって和ませるシーンのバランスが秀逸。
ヤクザと刑事の馴れ合いを長引かせず、食い気味に次の展開を仕掛ける脚本は出色の出来栄えでした。
更に終盤には、ここで終わりかな?という予想を何度も裏切られ、
最後はこれ以上ないほど滾る幕引きになっています。
一切だれることなくハイテンションを維持するその熱量には圧倒されました。
韓国ノワールでは賄賂を受け取る悪徳警官ばかり見てきた身としては、
韓国映画の懐の深さに改めて驚かされる一作でした。
映画好きに薦めやすい作品であることは間違い無いですが、
マ・ドンソクが愛おしくてしょうがないマブリーファンは特に必見です!!
ナメてかかった相手がマ・ドンソクでした
深夜の路上で男が刺殺された。熱血漢の刑事テソクは残された痕跡から男は何者かに追突された後殺されたものと推測、連続殺人犯による犯行と睨むが十分な証拠が掴めない。そんな折暗黒街にその名を轟かせるボス、ドンスが同じ手口で襲撃されるが激しい抵抗の末犯人を負傷させるが自身も重傷を負ってしまう。ライバル組織による襲撃と判断したドンスの部下はすぐさま報復の為事務所に乗り込むが、ドンスにはその犯行が組織によるものとはどうしても思えなかった。ドンスを襲撃した犯人が自分が追っている犯人と同じだと考えたテソクはドンスに捜査への協力を要請するがドンスは拒否、あくまで自分の手で犯人を探そうとする。
いかにも韓流らしくナイフでギッタンギッタンに切りつけあうクライムアクション。ある意味『48時間』的なオールドファッションですが、どう考えても死にそうにないマ・ドンソクが刑事の相棒というのが新味。とにかくマ・ドンソクがカッコよすぎるので、“ナメてかかった相手がマ・ドンソクでした”というあり得ない偶然にも得体の知れないリアリティが宿っています。昭和には腐るほどあったはぐれ刑事モノを未だに量産し続ける韓流映画陣の醸す漢気がとにかく眩しい痛快作品ですがいかんせん日本公開が遅すぎます。マ・ドンソク主演作は問答無用ですぐ公開してもらいたいものです。
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