「脱帽ですね」悪人伝 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
脱帽ですね
本当に面白い。まず、最初の20分までのスピード感が良いね。この強そうな極道がいきなり犯人と遭遇してこんなことになるなんて、思いもよらなかった。その意外性とドラマチック性でアクション映画として一気に盛り上がった。やっぱりアクションというのは、ただ派手な喧嘩をすればいいのではなく、ストーリーと絡みあってこそのアクションなんだ。20分間でこれだけのストーリーが作られていたからこそ、ここのアクションがおもしろかった。それから警察と暴力団が絡み合って行くところ。絡み合いつつも、時合わない。あくまで自分の方法で解決しようとする。そのこだわりが最後の最後まで続いたというのが良かった。極道の親分は何も殺しがしたくて殺してるっていうわけじゃないっていうところも、きっちり描かれていた。殺しはこの世界に必要なんだ。悪でも正義でもないこの人物像がとても良かった。マ・ドンソクのアクションは実に小気味が良い。彼にはコメディーセンスが漂っていて、それが映画の中で生き生きと活きていた。
これはもうシナリオライターとしても監督としても俳優としても会心の出来でしょう。 これが原作ものでもパート2でもなく、オリジナルですから。もう日本映画はおろか、ハリウッド映画すら超えてますよ。
・・ハリウッドはもういっぺん才能ある監督の卵の発掘から。やり直すべきだ。ハリウッドをぶっ壊したのは俳優のエージェント会社だ。巨匠、監督が当て役で脚本を書くのをいいことにぼったくりまくった。製作費がかかりすぎた。フィルムメーカーはスーパー監督もスーパースターも発掘しないことに決めてしまった。・・・中国みたいに俳優のギャラは制作費の何割までって法律で決めてしまえや。
