「ウェスを浴びる映画」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 まめもやしさんの映画レビュー(感想・評価)
ウェスを浴びる映画
圧倒的な情報量、展開、色彩、美術、衣装、キャスト。字幕を追おうとすると、映像についていけず、映像を見ていると字幕を追えないこのジレンマ。そして気づく。あぁそうか、この映画を理解しようとしているのが間違っているんだと。例えるなら、美術館で絵画をみて「こういうことかな」と予想をつけるも、横に書いてある解説と全く違ったときのように、自分なりの楽しみ方を見つけて楽しむことができる映画。だからこそ「ウェス・アンダーソン監督、頼むから映画館で一時停止させてくれ」と言いたくなる情報量に圧倒され、頑張ってついていこうとすると、鑑賞後にはルーブル美術館を1日かけて回ったような疲れが襲う。それでも、なんだか悪い気がしないのは、レア・セドゥの魅力と、見ているだけで楽しいウェスワールドに浸れるからだろう。
コメントする