「安直なホラー仕立て」BOLT odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
安直なホラー仕立て
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東北芸術工科大学制作、理事長は映画監督の根岸吉太郎、監督の林海象が教鞭をとっている、撮影は学生たち、美術は京都芸術大学で教鞭をとるヤノベケンジ、低予算なので高松市美術館への出品を兼ねて原子炉への廊下に使われたセットを造ったそうだ。
プロットはあの原発事故に触発されたのだろう、主人公はベテランの原発作業員、被ばく量が限度を超え、仲間たちが東京五輪の建設現場に移った後も現地に残り被災者住宅の遺品整理の仕事をしていたが耐えかねて自動車修理業に転身・・。
過ちを風化させないためにも事故の映画化は大切なこととは思うが、映像表現としては余りにも稚拙、まるで宇宙服のような防護服に明らかに顔の表情を見せるための過剰なフェースライトは玩具のようだ。
緩んだボルトをスパナで締めると言うアナログ技、映画の半分はボルト締めの苦戦です。
ただ、ベントに失敗した2号炉が爆発しなかったのは、たまたま容器の蓋のボルトが緩んだせいで圧力が抜けたからでしたから微妙です。技術監修もなく安直なホラー仕立ての演出が鼻につきます。
他のエピソードも不自然極まりない、新年とタイヤメーカーのロゴをひっかけたのは広告どりか、人魚の妄想も意味不明、まあ、社会派ドラマというより悪夢として描きたかったようですね・・。
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