街の上でのレビュー・感想・評価
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人物描写を巧く描いた今泉作品最高傑作
下北沢を舞台に描かれた群像劇で、特に大きなストーリーが展開されているわけでもないが、
登場人物一人一人が作品の中に巧く溶け込んでおり、若葉竜也氏演じる主人公の青が、この街でいかに生きているかが描かれている。
そしてこの作品は、実に脚本がよく出来ている。最後のあの鉢合わせシーンでは会場から笑いが起きるほど。なかなか今まで映画館で聴いたことないくらいの笑いだった。
下北沢って、もしかしたら一般的にはお洒落で、音楽や演劇で夢を追う若者の街、みたいなイメージがあるかもしれないが、私の印象としてはサブカル色が強く、そして何と言っても狭い!
そんな映画では測れないキャパシティもうまく表現できていたと思う。
人間同士の距離感なんかも脚本でうまく表現できている。
キャスティングも素晴らしい。穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚と邦画厨にはたまらないヒロインも最高だった。
今泉力哉監督作品は今までも何本か見てきたけど、これは最高傑作でした。
下北沢の街でこんなことあった話
今泉作品の中では上位に入るであろう、ステキな作品です。下北というノスタルジックで、独特なゆったりとした時間が流れているような空気感がとても心地よかった。
そこに若葉竜也と成田凌という、愛がなんだ、くれなずめでも共演のお2人。もう、個人的に2人とも大好きなので、贅沢な時間でした。
何箇所もクスッと笑えるとこあって、脇の人のクセが強くて面白かった。その人達にもまた違った日常があって、それが間接的に描かれてるのがいい味で出てました。
4人の若葉くんに絡んでくる古川琴音ちゃんをはじめとした女優さん達、それぞれ存在感あって、個性が出てていいなって思いました。
監督がネタばれしないでほしいって仰ってたので、詳細は語れませんが、とにかく、ワクワク、ドキドキする事が同じ人と一緒にいれたらいいなって思いました。やっぱ同じ事で笑ったり、泣いたりできるっていいですよね。
当たり前だけど、人間は自分が見ている範囲の他人しか見えない。
とても楽しい映画で、いくつものシーンで劇場内にくすくす笑いが発生したのも納得です。
映画が編集によって取捨選択されたカットから構成され、観客には編集段階で落とされた無数のカットが目に入ることがないのと同様に、人が人と関わるとき見えているのはほんの一部分。当たり前ですけど。しかし見えない部分は確実に存在するのであり、見えない部分があるから見える部分がある。というようなことが実に巧みに表現され、絶妙に噛み合わずすれ違うやり取りとなって笑いを誘うのです。
日常の中でふと現れる、言葉では言い表せない何だかちょっと変な感じ。今泉監督は、生身の俳優たちがカメラの前で演じることでしか生まれない何かを抽出するのがほんとうにうまいですね。
あと、私はそれなりですが、下北沢に馴染みのある人は知っている場所がたくさん出てきてそういいう意味でも楽しいでしょう。
もう1回観てもいいな。早くまた映画館で楽しめる日が来てほしいものです。
普通の様で普通じゃないキャラクター達が素晴らし過ぎる!
脇役たちが非常に重要な群像劇風シュールコメディー。
それぞれのエピソードだけでも非常に面白いのに、それを感心するほどの構成力で上手くまとめていて驚き。間やテンポ等も考えた編集も上手い!
これだけ今泉監督独りで出来てしまえば相当手応えはあったんじゃないかと思うし、観た我々も観ておいて良かったと思えた!
まぁとにかく観て損はない傑作です。
絶妙なバランス
全体にとても面白かった。路上で関係者が鉢合わせするところなど、ところどころ作られたコメディタッチが自分にはちょっと過剰だったが、イハちゃんのアパートなどの長回しの中での自然な可笑しさにはめちゃくちゃ嵌って、周囲の観客ともども声をだして笑ってしまっていた。それと、萩原みのり(切る前にちゃんとリハーサルと演技指導しろよー)と古川琴音はちょっと損な役回りだったかもしれないが、中田青渚と穂志もえか(二人とも知らなかったんだけど)も含めて女優がみな良かった。
どうしてもマイナスに触れたいおいらとしては、鉢合わせから自転車を奪って逃げるところなどは、直後に警官に職質させ、気づかさせるための段取りに見えてしまい、マイナス要素になってしまうのであった。あと、成田凌は朝ドラ俳優と名乗って出てくるだけで面白いんだけど、雪の相手が成田凌というネタバレはもっと後でよかったんじゃないかなあ。あと、もっとずっとだらしないところを入れないと戻るきっかけがわからなかったな。結局雪は可愛いから思い通りになるのか。。。
ローテンション恋愛喜劇
もっとエモい、アンニュイな感じかと思ってた。こんなに笑える作品だったとは。元カノが忘れられなかったり、好きだけど好きと言えなかったり、そういうどうしようもない気持ちを抱えてもがく人たちが、リアルに、ちょっと滑稽に描かれていた。
イハと青が恋バナするシーンが好き。ああいう夜のおしゃべり楽しいよね。一緒に話したくなった。
今泉監督。参りました。文句なく★5
一言で言えば下北沢を舞台にした群像劇。
しかし、しかし。主人公が彼女に浮気されたところからスタートし、変な警察とやり取りあり、何故か映画に誘われ、、、と人間模様が膨れ上がりとにかく面白い。最後の五人のやり取りは笑いを堪えるのに必死でした。
脚本は今泉監督作品らしく感心するほど練られており脱帽。
若葉さんの普通のお兄ちゃんぽさ(褒めてます)が素晴らしい。
BGMのような映画
街の上をふわふわと浮遊し続ける若者たちの物語。大人が存在しない心地よさ。ルールが存在しない心地よさ。スクリーンでは伝わらない街の喧騒や匂いまでもリアルに感じることができる。 特別に大きな展開が訪れる訳ではないが、人生においてこの時間を過ごすことは特別。主人公に好感。
下北
僕の青春も下北にある。30年も前にもなるんだけど。
いまの若者と、でも変わっていない。
プールバーに行って知り合った女の子と朝までジャズ喫茶で話をしてたっけ。
ハッピーエンドはいい終わりだった。
アイネクライネナハトムジークといい50すぎたおっさんだけど、今泉監督の映画はいい。
ナチュラルな風景に癒される
とても普通で、本当に下北沢での出来事を切り取ったような作品。終始自然体なやり取りが映し出され、なぜか観てると癒されました。
大きなハプニングや、ドラマチックな展開が起きるわけではないし、登場人物は皆どこにでもいそうな普通の若者たち。彼らが下北沢で生活して、会話をしている。それだけなのに、なぜかずっと見ていられそうな不思議な空気を纏っている作品で、次第に登場人物それぞれの魅力に引き込まれていきました。
ゆったり味わい深い良作です。
下北 45
前半、コント「下北沢」が何編も続きそろそろ飽きてきたかなというところで、後半物語が動き始め終盤のオチへ
場内大爆笑!!
主演の若葉竜也がよかったのはもちろん、共演の女優陣が各々魅力的
今泉作品は観たあと誰かとあ〜だこ〜だ語りたくなるというあるある探検隊
今泉監督の頭の中
とても不思議な映画でした。
まずはじめに、千葉県でも観ることが出来て感謝。
とくに事件は起きません。とても自然な普段の話です。とても薄味だけど出汁が効いてる感じ。味が濃いめが好きな人には向かないかも。ハードルを挙げずに見てみてください。
雰囲気が独特で、ある意味普通の空気感です。会話もセリフなのかアドリブなのかよく分からない。BGMも流れないので、本当に下北沢に空気感で下北沢に住んでる人達みたい。
会話劇で、普段の会話の中でクスッと笑えるような、気持ちのいい会話でした。
それそれオムニバスのように別々の話ですが、最後にクロスするところがとても笑えた。
今泉監督らしく、映画としては不自然な間がたまらない。日常ではあるあの「変な間」が絶妙。
そして、男女間の微妙なすれ違いも絶妙。
そうだよね。うん。こういう恋愛映画があってもいいね。
てか、これは恋愛映画なのかな?
オリジナル作品ということなので、これが本当の今泉監督のあまたの中なのかな。
人に勧める時に「どこが面白いの?」と聞かれても、「うまく話す自信が無い」。
昨日観た「るろうに剣心」とは対極にある映画でした。どちらも星5だけどね。
映画に大きいも小さいもありませんが、こういう映画も、少しずつじんわりと広まるといいですね。
自分好みの作品で凄く良かった!
本作の監督の作品は自分好みが多め。
その中でも上位となる作品!
感動も涙も無いけど凄く好きな雰囲気。
何気ない日常の生活を表現してるんだけど、ほのぼのと笑えるシーンが満載。
お笑い芸人のコントを観ている感じ(笑)
全てのキャストの皆さんのセリフが凄く自然で心地良い。
そして会話の間の取り方が絶妙。
青(若葉竜也さん)とイハ(中田青渚さん)の恋ばなのシーンがとても良い。
長回しで二人が語り合うシーン。
アドリブで会話している感じで自然な感じ。
幕下力士と付き合った話が笑える。
それにしても若葉竜也さん。今まで注目していなかったけど素晴らしい演技。
終始抑揚が少ない展開なんだけど、最後まで作品に集中できてあっという間に終わってしまった感じ。
もっと観たかったです。
友情出演の成田凌さん。
存在感が有りすぎ。凄い役者さん。
最近、下北沢に行ってないけど、また行きたくなりました( ´∀`)
笑えて爽やかそしてみんないい人
評判どおりの爽やかな作品
まさか笑いを堪えてお腹がいたくなるとは😊
城定さんが自己紹介で「城定秀夫監督の…」😊
こういうネタも楽しい
現実にはあり得ないエピソードが多いけど
そこがまたいい
誰が観ても感じ方はそれぞれだけど
嫌な気になる人はいないと思います
またいいものを観せていただきました🙏
聞きますよ、コイバナ。
どんな映画かと問われれば、今泉監督の若葉竜也愛にあふれた映画、と答える。
サブカルであふれた下北沢を舞台にしたゆるい青春群像劇。時に流されるように生きる青も、別れた後にフッた男の良さに気付く雪も、どこか幸薄そうな古書店員も、求めているのは友達なのか恋人なのか曖昧なイハも、自主映画にのめり込む女監督も、いそうなのだあの町に。でもあの町のたいていの住人が得られるものは100%の満足感ではなくて、ぬるっとした「こんなもんかな」感。そんな雰囲気が、役者陣の自然体の演技とその辺で撮っているような日常感とでうまく融合していた。
で、監督の上手いとこは、姪っ子好きで悩む警官のシーンを入れたり、成田凌を有名俳優役で登場させたり、ストーリーをダレさせないところ。突拍子もないシーンに思わせといて、ちゃんと伏線を用意している。かみ合わない会話の応酬からは、惰性で生きてるようでいながら、恋愛だけはちゃんと本気で感情をさらけ出せる熱さ。そう思うのは、自分の年齢のせいなんだろうけど。
そして思い出してしまうのは警官のセリフ。「やっぱ言わないと次いけないっていうか、どう思う?」なんでだろう、ここで僕は泣いてしまった。今泉監督の術中だな。
共同脚本・大橋裕之が効いてるかな
オープニングがつまらないんだよね。別れるカップルの会話から入るんだけど「これ、本当に面白いと思った?」って感じで、そこまで面白い会話じゃないの。
これは不穏な立ち上がりと思って観ていって、なかなか面白くならないの。ちょっとしたシーンの面白さを観せてくるんだけど、「そこまででも、ないなあ」って感じで。
萩原みのりに呼ばれて自主制作映画の撮影に行くあたりから面白くなってきて、ここで中田青渚がいいね。ヒロインが穂志もえかじゃなくて中田青渚でも良かったんじゃないかってくらい良かった。
ここから一気に面白くなるね。
中田青渚の家を出たところで五人でやり合うシーンはメチャクチャ面白い。そこにいる五人が持ってる情報量に差があるから、そこで笑いが生まれるんだよね。戯曲っぽくて良かった。
それで警官出てきて「伏線だったのか!」ってのも良かった。
それで穂志もえかが若葉竜也の家に成田凌を連れて来て、去ったところで『いいの、追いかけなくて!』『これは、すごいことだよ』は「言ってることおかしいだろ」と思うものの「分かる」っておかしさで良かったな。
警官が出てきたところで「前半の今ひとつのシーンは伏線だったのか、やるな」と思ったけど、そうでもなくて投げっぱなしのシーンもいっぱいあるんだよね。
メンソールもそうだし、Tシャツカップルも関取もがっつりは回収しない。
でも、そのシーンは面白くて、そういう本筋に関係ないシーンを残しながら、まとめてくるのは今泉監督すごいと思うの。
それで、本筋に関係ないけど面白いシーンは、共同脚本に入った大橋裕之さんが効いてんのかなと思ったのね。
今までの今泉監督作品は「『好き』ってなんだろ?」というところをギリギリと詰めてくる感じだったけど、この作品は少し力が抜けてた。話の内容より、監督の技量の高さが際立つ作品だったけど、面白かったよ。
全201件中、121~140件目を表示