劇場公開日 2021年4月9日

「斬新だな」街の上で Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0斬新だな

2021年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自分自身が「街の上で」の登場人物になったような感覚の2時間だった。
今泉力哉監督の作品は、全てがとにかく自然体で、物語だったら普通こうなる、みたいな劇的な展開も起きないしロマンチックな結末もない。この"ありふれた"空気がとても良い。

タバコをもらったはいいもののライターがないことを言い出せない、あの感じ、めちゃめちゃわかります。
青とイハがお茶を飲むシーン、ただくだらないことを話しているだけで凡庸なのに、とても引き込まれていつまでも聞いてられる感覚に陥る。イハの歯切れの悪い喋り方とか、話してる内容とか、(もちろん伏線という意味もあるけれど、)大した意味もない感じが、素敵だった。

5人が一同に会して、とってもカオスになるシーン、シュールでめちゃくちゃ好きだった。映画やドラマだったら、もっとドロドロした展開が待っているんだろうけど、日常はそこまで面白くないよ。そんなふうに思えてクスッと笑えました。

私たちは確かにここに存在している。それをわかっていれば、それでじゅうぶん。

Miyu