「合宿全部見てる人用」IDOL あゝ無情 mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
合宿全部見てる人用
予備知識なしで見に行くにはハードルが超絶高いドキュメンタリー映画。合宿については映画観に来た人は全体の流れや結果はニコ生見て知ってるよねという雰囲気。
感情がブレブレで見ていたので見落としも多いと思うが、そう何度も見られるほど強い精神を持っていないので記憶は曖昧のままのレビューになってしまう事をお許しください。
今作で注目すべきは後半のBiS解散の話し。渡辺とムロ、BiSメンバーのすれ違いの物語。合宿裏の真相では無く、物語です。
合宿で頑張っても何も意味なかったと泣くムロ。
それに対し、今更何言ってる?という反応の周りの人達。何も理解してないという大人とガムシャラにやる事しか出来ないメンバー。かたや傍観者と化して存続を諦めたようなメンバー。見ている途中で、こんなにバラバラになってしまったBiSを見せられて2期ゾンビだった自分は成仏出来てしまった。そういう編集かもしれないけど、グループに対する熱量が減ってしまったのをまざまざと見せられて、もうイイやとなった。
合宿前から解散がほぼ決定していたBiSに対し、社長渡辺はそれを覆す何かを0.0001%くらい期待していたと思う。けど、何も起きなかった。
BiSが大事という合宿参加メンバーの気持ちは伝わって来たが、ずっと9人のBiSでいたいという個人の願望と、BiSの為になら何でも出来るというBiS愛ではその内容に大きな隔たりがあったのかもしれない。そしてこの時のBiSメンバーに後者の気持ちは足りて無かったように感じたし、大人は後者をこそ求めていたように感じた。
BiSあげます。と言われ、いやぁ無理無理無理…となった場面を見ても、BiSへの愛の大きさ、プロ意識や責任感といったものが無くなってしまったんだなと感じた。と言うか、初めから無かったんじゃないかなとすら思えた。あの時、彼女たちは少しでもファンの人達のことを考えたのかな。あんな時ですら自分たちの事しか考えていない様に見えたのがさみしい。
BiSの為に色々と協力してくれていた人達が誰1人として残ってくれなかった状況を知り、私たちが嫌いかと聞いたメンバーもいたが、気持ちはわかるけど聞かなくても分かるでしょ…と更に寂しい思いになった。
周りに何と言われようが手伝ってあげたくなる様なグループになれなかった原因が何なのか。応援される人とはどんな人なのか。今の自分は応援されるべき人なのか。たくさんのファンを獲得している事務所の先輩を見て勉強すべきだったのにね。
2期にたくさんお金使ったオタクはなかなか納得いかないと思うけど、ライトなオタクだった自分は今作で完全に切り替え出来ました。
3期が過去曲をやらない理由も自分なりに何となくわかったし(BiSあげますと言った時点で渡辺の手を離れたのかな…)、元メンバーの現状を見ても解散時期としては良かったのかなとも思える。
惜しむべくは今作の主演女優ともいえるムロが表舞台から去ってしまった事。あそこまでボロボロになった姿を見ると無理にとは言えないけど、またアユニと楽しそうにアイドルやってる姿をいつか見せてくれたらいいな。