「奇妙な方法でないと救えない人はいる」ホドロフスキーのサイコマジック ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
奇妙な方法でないと救えない人はいる
ホドロフスキーの芸術は実際に人を救っているらしいとこの映画は伝えている。様々なトラウマを抱えた人々がホドロフスキーの元に相談にやってきて、ホドロフスキー流の演劇的精神療法を施され、トラウマを克服してゆく姿を捕えている。実際に相談者の表情が治療後晴れ渡っているのを見ると、なんとも言えない感動を覚える。
サイコマジックとホドロフスキーが名付けたその精神療法は、これまでに彼が作ってきた映画の内容とも密接に結びついている。彼の創作人生の中で編み出したものであり、これは結果的に治療行為の形を取っているが、創作活動の一種のようだ。一見すると変態的な行為なのだが、そうでなければ救われない人々はこの世界にはたくさんいる。というか、人間とはそういうものなんじゃないかと思う。
しかし、本当にホドロフスキーという人はユニークで底が知れない人だなあと感じる。小綺麗な世の中にまだこういう人が残っているということにすごく希望を感じる。
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