ザ・ピーナッツバター・ファルコンのレビュー・感想・評価
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逃避行が、思いがけない冒険へ…
Amazon Prime Videoで鑑賞(吹替)。
ザックとタイラーの間に友情が生まれていく過程がハートフルでした。ザックを追って来たエレノアが加わり、絆を深めた3人の思いがけない冒険は衝撃のハッピーエンドへ…
常に前向きなザックの発言に影響され、過去を見つめ直すタイラー。ザックとの交流で変わっていったタイラーに、ザックへの関わり方を指摘されたエレノアも変わっていく。ザック自身もふたりと過ごす内に強くなっていきました。
再生と気づきの連鎖が温かくて心地良かったです。
こんな時を過ごしたい…
大人のスタンド・バイ・ミーのような、いつまでもこんな時間が続けば良いなぁと、羨ましく感じた。実際のダウン症であるザックが主役を演じる。旅をする途中、ザックを助けるつもりが彼のお蔭で実は人生をやり直すきっかけを与えてもらったシャイア、仕事のあり方を見つめ直すきっかけを与えてもらったダコタが好演。ストーリーはうまく行き過ぎの感も否めないが、音楽と風景がゆったりとした時間を感じさせ、まるで心地良い風を浴びてるような、優しい気持ちにさせてくれる。やっぱりソルトウォーターは一肌脱いでくれた。ラスト、ザックがレスラーを持ち上げ、リング外に投げ、ダンカンに当てるとまでは上手くいかなかったけど、ここまで来たらそれが見たかった。
助けたつもりが助けられ、教えたつもりが教えられ。絆とはそうして生まれる物なのかもしれません。
昨年から今年にかけ、障害者を扱った映画を何本か観ました。
その中でも記憶に残った作品の一つが 「37セカンズ」
そのレビュー等をみていて気になったのがこの作品でした。
※ あ、公開日も一緒だ
当初、いつも通っている映画館では上映予定が無く、
ご縁の無いまま終わるパターンか …と思っていたのですが
コロナ明け、いつもの映画館で上映が よっしゃ
というわけで、ようやく鑑賞できました。
レスラーになる事を夢見るダウン症の青年。 ザック
交通事故のせいで兄も仕事も失った、青中年。 タイラー
施設を脱走したザックを連れ戻しに来た看護師。 エレノア
最初は2人で
途中からは3人に。
ザックが行きたいと願う 「悪役レスラーの道場」
を目指し旅を続けます。
はたしてザックの夢は叶うのか とまあ
少し ハラハラでドキドキ の
ロードムービーでした。
旅の果て、3人の手元に残ったもの それは
新たな「絆」
このあと3人の関係が
ファミリーとなっていくのか それとも
別の形になっていくのか
エンディングを観ながら、そんなことを
考えていました。
◇
ピーナッツバター・ファルコン
どんな意味のタイトルなのか、と思っていたのですが
ザックの「リングネーム」 でした。
…うーん
強そうに見えない… (それに、甘そう…)
ピーナッツパター
材料にパターも使うものと思っていたのですが
「ピーナッツ」だけみたいです へぇ
で。
栄養成分も調べてみたら
100g あたり 640Kカロリー きゃー
なんて高カロリー…
タイラー
「無責任艦長タイラー」 という
昔のアニメ作品が頭に浮かびました。
内容はほとんど覚えてません。
※タイトルだけ覚えているという …汗
「筏」
に乗って川を下るシーンが印象的
絵になります。 … って、ポスターになってるし …汗
※残され島から旅立つコナンみたい
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ダコタ・ジョンソンはサスペリアとは全然違う普通のきれいな隣のおねいさんで、思い切りキュンキュンしてしまった💞ごめんなさ~い🙏
アメリカ南部の小さな海辺の町で篭仕掛けのワタリガニ漁で生計を立てている漁師のタイラーは頼りになる兄貴がいたが、亡くなってしまい、さらに兄の漁業権は他人の手に渡ってしまい、密漁でなんとか食い繋いでいるが、ほかの漁師の篭を獲物ごと失敬する粗っぽさで、漁師仲間とのトラブルが絶えない。ついにやけになって、漁協に放火し、追われる身になってしまう。兄貴はすべてタイラーの夢のような回想シーンに無言で現れるのみだが、いい兄貴だったんだってわかるすぎるぐらいわかる。兄貴役のジョン・バーンサル。カッコいい。
老人介護施設で暮らすダウン症の青年ザックにも身寄りがない。プロレスのビデオを見るのが好きで、ご贔屓はソルトウォーターレッドネックというレスラー。
レッドネックの意味は元々は南部やアパラチア山脈の麓で働く貧しい白人労働者を指す俗語らしい。日焼けで首が真っ赤っかだからだと思う。ソルトウォーターだから、うーん、港湾労働者? えっ?貧乏漁師のこと? でも、あまりカッコいいリングネームじゃないぞ。
この映画の題名もよくわからなかったのだが・・・・・
同部屋のカールおじいちゃん(ブルース・ダーン)はザックがVHSビデオを一回見るごとに50セントもらっていれば、とっくに俺は億万長者だなんていう。ザックはビデオでソルトウォーターレッドネックが宣伝してるレスラー養成道場に入り、レスラーになるのを夢見ている。そのために脱走を試みたが、捕まってしまう。でもその脱走計画がうんと可愛い。食堂で自分のプリン🍮をおばあちゃんにあげて、クレヨンで書いた絵を見せて、おばあちゃんにプリンを誤嚥した芝居をしてもらって、施設が混乱している間に逃げ出すのだ。だが、あっさり捕まって、部屋の窓には鉄格子が付けられてしまう。ある日、カールおじいちゃんが両端の鉄格子の縦の棒二本にバスタオルを渡し、タオルをぐいぐいねじって、真ん中の隙間を広げ、裸になり石鹸を体に塗って滑りを良くして抜け出ろとアドバイスしてくれる。
カールじいちゃんはザックに【友達は自分で選べる家族】と言うのよ。老人から若者に託す言葉として、これほど含蓄があり、心に響き、未来思考の言葉はないかもしれない。
パンツ一丁で脱走したカッコ悪いザックは一隻のボートに身をひそめ、追っ手から逃れるのだが、エンジンのカバーシートの中で寝てしまう。ちょうど、今さっき放火して逃げてきたタイラーがボートに飛び乗り、二人の逃亡劇が始まる。
施設の看護師のエレノア(ダコタ・ジョンソン)は以前からひとり老人施設にいるザックをなにかと気にかけていた。脱走したザックを内密に捜索するようにと、事を表沙汰にして幹部から罰せられたくない施設長から命を受ける。
タイラーとザックは追っ手を避け、トウモロコシ畑のなかを逃走するが、一軒のコンビニに寄って食料を調達しようとする。タイラーはなけなしの金でパンとピーナッツバターの瓶と釣り針を買うのだ。さすが漁師の選択???
この二人が偉いのは、トウモロコシが周りにいっぱいあるのに、失敬して食べたりしないのである。
その直後、ザックの写真を持って捜索のために入ってきたエレノアと漁師のタイラーは鉢合わせ。ザックを畑に残してひとりで来たタイラーはザックにもうシンパシーを感じていたのだろう。知らんぷりを決め込む。
二人の逃走シーン(ロード)はザックに泳ぎを教えたり、プロレスに必要な体力トレーニングを科したり、ライフル射撃を教えたりして、自然の中でザックは一つずつ自信をつけ、二人はすっかりバディの仲になってゆく。
森の中で一軒の小屋を見つける。出てきた盲目の黒人の神父から材木の提供を受けて筏を作り、祝福を受けて、旅に出る。
野宿した入江の砂浜で最高に意気投合した二人はコンビニの店主にもらった自家製ウイスキー(たぶんジャックダニエルみたいなトウモロコシから作ったモルト?)を飲んでしたたか酔っぱらう。しかし、その間に、タイラーを追ってきた二人組に筏を燃やされてしまう。翌朝、途方に暮れていると、ワゴン車で通りかかったエレノアがザックを見つける。エレノアはザックを連れて帰ろうとタイラーとコンビニのことなどで言い争っている間に、ザックが車のキーを抜き取り、海に投げ捨ててしまう❗
エレノアは海に入ってキーを探すが見つからず、あきらめる。
そして、
ザックの夢を叶えてやろうと、ソルトウォーターレッドネックのプロレス道場を目指して3人は旅を続ける。
途中、
海岸の大きいクレーンのロープにぶる下がって、3人が海にダイブして遊ぶシーンやザックが筏から飛び込んで、手づかみで大きなスズキ(ボラではない)を捕って、筏の上で焼いて、ピーナッツバターを塗って食べるシーンが印象に残った。エレノアは夫と死別?
ソルトウォーターレッドネックの住所を頼りに一軒の家にたどり着く。しかし、年月が経過しており、すでに彼は第一線を退き、養成道場も閉鎖していた。タイラーはなんとかザックのために一肌脱いで欲しいと頼むが、ソルトは断る。
落胆した3人があてもなくとぼとぼと歩いていると、そこへ、レトロなオープンカーに乗り、往年のリングコスチュームに身を包んだレッドネックが、車をスピンさせて止まり、3人の前に現れる。カッコよく年をとったハルクホーガンみたいに見えた。粋な計らいについニヤニヤしてしまう。さらに、裏の友達の庭で試合があるから、ザックをメインイベントで出してあげると云うのだ。その友達が、日本のリングにも度々あがった、必殺技DDTの創始者の本物のレジェンドレスラー ジェイク "ザ・スネーク" ロバーツ本人。
田舎の小さな興行なのだが、3人は大喜び。そこで、ピーナッツバター・ファルコンがなんなのかが明かされる。
ザックのリングネームなのである。
ザックは自分はヒール(悪玉)だと思っている。でも、タイラーはお前はベビーフェイス(善玉)だと。
メインイベントの相手は主催者でスーパースターのジェイク・ロバーツ本人。ジェイクは36年の現役時代、ヒールとベビーを何回も変わっている。
ザックの入場コスチュームは段ボールでできているファルコン(はやぶさ)。笑っていいのや悪いのやら。手作り感満載。この映画の手作り感とマッチしてる。
対戦のはじめはやられっぱなし。
一方、リングの外では追っ手の二人がタイラーを見つけ、誰かと電話連絡をとっている。
ついにザックがジェイクを高々と担ぎ上げ、リングの外に投げ捨てた。
ほぼ同時に追っ手の一人ががタイラーを背後からバールのようなもので殴る。
場面は変わって、病院の暗い待ち合い室。エレノアが立っている。
エレノアが運転するクルマの助手席にザックが座っている。タイラーが死んでしまって、二人だけで施設に戻る途中に見えた。
しかし、ザックがハンバーガーを持った右手を後ろの座席に。頭に包帯を巻いたタイラーが起き上がる。
生きてた~❗
3人の新しい家族はフロリダに向かう途中だったのだ。
心が暖かくなるステキなロードムービーだった。
忘れないように書いていたら、長くなりすぎました🙏
底の浅い映画になっていて残念。
ロードムービーって撮り尽くされた感がある。その中で作るなら、もっとストーリーに深みを持たせる何かが必要だった気がする。障がい者と健常者が旅をしてお互いを受け入れて仲良くなって行く物語って、想像ができて正直つまらない。こちらの想像を越えていく何かが欲しかった。そして、人物の描き方がとても浅く、ほとんど過去が描かれていない。だから、あまり感情移入もできない。
主人公の青年の描き方もわりとあっさりしていて、ものすごくよく喋るし、軽薄だし、出だしの放火あたりの寡黙な青年とは打って変わってしまう。喋らない方が良かったのではないか?と思ってしまう。
この映画を観たことで、ロードムービーを今後観るのは止めようと思った。目新しいものが出てきそうもないから。
忘れかけた何かを思い出させてくれそうなキラキラした作品です。
なんとなく面白そうで、良作の匂いがして、結構楽しみにしてた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと、良いね♪
大人のロードムービーと言うか、大人になってからの「スタンド・バイ・ミー」みたいな感じ。
ジョージア州の壮大な景色がとても綺麗で心が洗われる感じ。
主人公でダウン症のザックと孤独で少しひねくれて小さな悪事を働くタイラーとのロードムービー。
そこに看護師のエレノアが加わって、ザックのヒーローで目的地の「ソルトウォーター・レッドネック」が主催するプロレス学校を目指す旅。
頑なに夢を追いかけるザックと少しひねくれたタイラー。
でも、タイラーはダウン症のザックは普通に接している。それは別に特別な事ではなく、なんて事のない普通の事。
この辺りは他の方も書かれてますが、先日観た「37セカンズ」に近い物があるかな。
そんなザックとタイラーの旅がなんとなく始まるんですが、そんな2人の凸凹コンビがなんか良い感じ。
エレノア役のダコタ・ジョンソンは綺麗だなぁ♪
中盤くらいまでは目的も不明確な感じで、なんとなく旅をしているみたいな感じでしたが、筏を作ったぐらいからノリにノッて来た感じで、楽しそう♪
また、ガックリしているザックにオンボロのオープンのトランザムで颯爽と現れるソルトウォーター・レッドネックが格好いい♪
この粋な登場に心が震えて、ちょっと涙腺が緩くなりました。
日本ではプロレスをするのに殆どが団体に入る事になりますが、アメリカではプロレス学校に入って、そこで基礎を学び、経験を積んで、ステップアップをしていく。
WWEの様な大きな団体にいきなりデビューは殆ど無く、インディー団体からスタートが殆ど。
ソルトウォーター・レッドネックがザックのデビュー戦で手配するプロレスはインディー団体と言うよりかはバックヤードプロレスに近いかな。
でも、ピーナッツバター・ファルコンと対するサムは往年の名レスラー、ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ。インディー団体での活躍は些か寂しい物がありますが、それでも元気な姿を見れたのは嬉しい。
ちょっとツッコミ所はエレノアやタイラーを追っているマーク達が何故かピンポイントで船旅をするタイラー達を見付けられた事w
GPSでも付いていたのか?と思えるくらいに結構正確。
エレノアも車の鍵を投げ捨てられてからの心変わりが早いw
もう、そこからはメッチャ楽しんでるしw
また、ザックことピーナッツバター・ファルコンがリングでサムを投げ飛ばす描写はちょっと投げ飛ばし過ぎw
ここだけコミカルと言うか、ギャグになっててなんか浮いた感じがするんですよね。
でも、そんなツッコミも忘れてしまいそうなぐらいの美しい景色と雰囲気にこの作品の酔いしれてしまいそうなぐらいの情緒が心地好い。
金も無いし、飲み水や食べ物だって心許ない。
でも、動き出したい衝動に駈られる事もある。
大声で叫びたい事だってある。
たまには馬鹿をやるのだって良い。
失敗するかもしれないけど、とりあえず動いてみよう。
そんな事を教えてくれる様な作品です。
くだらない事であっても、それを行動する事で何かを教えてくれそうなきっかけを作ってくれる、とてもキラキラした作品かと思います。
忘れそうな何かを探している人にはお薦めの作品かと思いますので、自分探しの旅の1つに如何でしょうか?
結構お薦めです♪
大人のためのお伽話
ユーモア、ひたむきさ、誰かを大切にすること、そんな人生のエッセンスがバランス良く配置された、大人のためのお伽話です。『リトル・ミス・サンシャイン』の時も思いましたが、すべての要素の配分が自分にはとても心地良くて、後味がいいんだよなあ。大好きな作品がまた一つできました。
やっと家族になれたね。
ザックは、ダウン症の青年
プロレススクールに行きたい!
漁師の青年は、つきに見放された!
愛を亡くした看護師
本来なら出会うことのない3人が出会う。
イカダで旅にでるなんて
まるで
ハックルベリーのワンシーンだ!
ラストのプロレスシーンは
よかったなあ!
やればできるんだ!
そして
ザックは言う
やっと家族になれたね!
夢のあとさき
それぞれに心の傷を持つ3人の、冒険ロードムービー。
一人は、家族に見離され不本意な施設で時を過ごすダウン症候群の青年ザック。
一人は、献身的にザックの生活支援を考える施設職員のエレノア。
一人は、兄を亡くした責めを抱えながら、その日暮らしから抜け出せない漁師タイラー。
ザックは、何度目かの失敗のあと、同室のカール爺さんの「友だちというのは、自分で選べる家族だよ」という言葉と共に送り出され、念願の外の世界へ。
カール爺さんの部屋で1,000回も見た、ビデオテープに映ったプロレスラー・ソルトウォーがザックのヒーローであり、彼のプロレス養成学校に入りプロレスラーになるのがザックの夢だった。
その夢に向かって一目散に踏み出すザック。
もめ事の最中に偶然出会ったタイラーは、初めザックをあしらうが、お尋ね者同士が引き起こす事件の度に二人の魂の距離は近づき、やがてお互いを認め合う友だちに。
そこへ、ザックを追いかけやっと見つけたエレノアが加わり、3人の旅が始まる。
ザックを施設に戻そうとするエレノアに、タイラーはザックの夢を応援する約束を語る。
「彼が本当に望んでいることを、叶えてあげたい」と。
自分の職務を全うしたいと思いつつ、エレノアも夢を追う二人にいつしか心を寄せていく…
その後も、いくつかの事件を乗り越え、思いがけない形で夢はかない、その先に更なる未来が待っていた。
『スタンド・バイ・ミー』を想わせる、目的に向かって道なき道を進んで行く物語の中に、ハンディをものともせず乗り越えていくバイタリティーと、人と人との出会いによって切り開かれる様々な出来事が新鮮で小気味良い。
人一倍力持ちだったザックが覚醒したことで生まれるクライマックスのファンタジー!
これは、障がいの枠を越えて、色々な思いを背負って日々を過ごしている全ての人の背中を押す物語だろう。
主人公のザックがこだわっていた「善玉(Good man)」と「悪玉(Bad man)」は劇中に沢山登場するが、どの人物の中にも実は両方存在していて、善玉と善玉が共鳴、つまり魂が触れあったとき、夢のあとさきは更なる明るさを持って切り開かれるのではないか、そんな希望を感じられるとても爽やかな作品であった。
選ばれし友だち同士が、新しい家族になっていくだろうと予感させるエンディング。その後に流れるカントリーソングが物語を完結させている。
「づっと逃げ続けていた。孤独な日々。でも、あなたに会って、私に家ができました。神様、もう待てません。づっと逃げ続けていた。孤独な日々…(繰り返し)」
夢のあとさきに待っていたものは、昨日まで他人だった者同士が友情を持ち寄って集う『家族』という新しい宝物だった。
夢に向かって真っすぐに。
ロードムービーって、やっぱ最強だす。
カニ漁の免許が取れず、食い詰めた生活を送る漁師と、家族に見棄てられ老人介護施設で過ごすダウン症の青年のロードムービー。いや、好きなんですよ、こういう「ひょうんな偶然から始まる」設定。小さな話で、低予算で、「撮りたいものがたくさんあるんです!」感にあふれるピッチピチの新人監督さん&脚本家で、地味にダコタ・ジョンソンみたいな中堅(と言っても大物ですけどw)女優さんとか出てる。良い悪いは別として、大好き。
「夢に向かって真っすぐに生きるザック」のハートは、関わる人に徐々に感染して行き、周りの人の生き方を変えて行きます。最終的に、ザックは彼のもう一つの夢である「家族」も手に入れる。
いやぁぁぁ、何か好っきやなぁ。すっごく好き。
2人を救った「自分を神の使い」だと勘違いしてるおじいちゃん。失意の元、行く当ても無く歩く3人を追いかけて来た「悪のヒーロー」。官僚的なエレノアの上司。ヤクザなカニ漁仲間。老人介護ホームの、物分かり良すぎるおばあちゃんと、ザックのハートに、おそらく最初に感化されてしまってたおじいちゃん。ロードムービーを彩るキャラも、硬軟・寒暖のバリエーションがあって良かった。
なんか、こんな役やらすと、ダコタ・ジョンソンって無茶苦茶良いw
大好物だった!とっても!
_φ(・_・ギルバートグレープとの対比
どうしてもギルバートグレープと対比してしまうなぁ、、、、。
ギルバートグレープ、、、、ジョニーデップとディカプリオ共演、、それもジョニーデップ十代だったのでは?伝説の映画。ディカプリオがダウン症の患者さんを熱演。ダウン症の弟と引きこもりの母親の面倒をみながら生きるジョニーデップが置かれた閉塞的な状況にとても共感したのを覚えています。
この映画、軽犯罪を犯しフロリダへ都落ちするタイラーとプロレス好きなダウン症の青年ザックの旅行記。ザックは施設で10年前のプロレスビデオを何度もみてそのインストラクターがいるフロリダへまたもや脱走。都落ちするタイラーとひょんなことから旅を一緒にすることに。ザックの担当の介護士のエレノアも旅の一員へ。
フロリダのプロレスのインストラクターがいるところへいくが既にジムはたたまれ、レスラーも辞めてしまっていたが、、、、、。
んーーーーん、、、やっぱりギルバートグレープのあの閉塞感、どうしようもない状況を感じられず、、、、登場人物の背景を描き切れてなかったような?惜しい映画。
しかしながらプロレスのインストラクターが粋な計らい!こんな人間にかくなりたいと思います。
【”君は、マーク・トウェインを読んだ事はあるか?夢を持って、旅に出よう!”縛り付けられた心を解放するために・・。ロード・リバー・ムービーの佳品。】
ー 舞台はアメリカ南部。揺蕩う流れの川。河岸に生い茂る葦。
長閑な景色が広がっている・・。ー
・が、その川で浮かない顔をして、”知りあい”達のカニ網を無断拝借して、カニ漁をするタイラー。(シャイア・ラブーフ:今作製作中に色々あったようだが、良い)
・閉ざされた空間で、何年も前のプロレスラー、”ソルトウォーター・レッドネック”のビデオを1000回以上も見続けるザック。(ザック・ゴッツァーゲン)2度も逃亡を試すが、その度に連れ戻される。
・ザックの度重なる逃亡により、上司命により、”上に知られないうちに”連れ戻すよう指示を受ける介護士エレノア(ダコタ・ジョンソン:彼女の弾けるような笑顔が、この作品の多幸感を増幅させているのは間違いない。)
■タイラーの浮かない顔、零落した様の理由は劇中描かれる。
”知りあい”達にある腹いせをして、逃げるように川に出るタイラー。だが、タイラーの船には、閉ざされた空間から逃げ出したザックが潜んでいた・・。
ここからの、タイラーとザックの珍妙な遣り取りを含めた”冒険”の面白き事よ。
・サトウキビ畑の中を微妙な距離を置いて進む二人の姿。
・ハラハラする川渡りシーン。
・”神を信じますか?”お爺さんとの出会いと川での禊、そして筏作り。
・様々な出来事を経験し、徐々に絆を深めていく二人の姿がとても良い。
どんどん、開放的になっていく二人。表情も明るくなっていく。
・彼らを追うエレノアもいつの間にか、彼らの珍道中に加わることに・・。
・ザックが素手で捕まえたマス?を焼いてピーナッツ・バターを塗って食べるシーンの3人の楽しそうな姿。
エレノアも、心を許したタイラーに”ある過去の出来事”を口にする・・。
・ザックの憧れの”ソルトウォーター・レッドネック”(トーマス・ヘイデン・チャーチ:劇場で観るのは久しぶり。良い)の粋な計らいにも少し涙腺が緩む。
・そして、”段ボール ザ・ピーナッツバター・ファルコン”と”サムソン”とのプロレス対決。リングサイドで大声を出して応援するタイラー。
・そこに現れた執拗な二人組。
・ああああ・・、 そして、暗転。
<暗転後、スクリーンに映されたラストの爽快感たるや・・。
深い喪失感を抱えたタイラーとエレノアが旅を通じて徐々に再生していく姿と、夢を追うザックの無垢な姿がとても素敵なアメリカ南部舞台のロードムービー>
■エンドロールで流れる曲:カントリー調でシンプルなアコギの音色が印象的
”ああ、わが主よ。身も心も擦り減らしてきた・・。けれど長い夜は明けて、信じ始めています。僕は皆が言う程、壊れていないことを・・。ずっと走ってきたけれど、君に会って、離れられなくなって、僕に家が出来た・・。”
を聴いているうちに、涙が滲んできた・・。
自由に生きる美しさ
シネアーツにて試写会鑑賞。
ダウン症のザックは家族から見放され施設での生活を強いられ自由を奪われる。
タイラーもまた自分の不注意から事故で兄を失い、トラウマに縛られ自由を奪われる。
ザックは施設が逃げ出し、追われる身に。
タイラーは盗みを働いたりクビになった会社に放火をし追われる身に。
どこか似てるようで似てない2人が偶然の出会いから共に過ごすことで、自由に生きる喜びを美しく描かれた作品にも思えた。
ただ全体的に内容が薄いようにも感じた。施設の看護師のエレノアも後半には共に過ごすのだが、彼女の描写は薄くそして、ザックが憧れてたレスラーになる流れや、タイラーが追手から逃げ最後は捕まる姿もトントン拍子で事が進み一つ一つのエピソード自体は薄く感じてしまった。
まぁ自由に生きるということは時としてそういう事もあるんだろうが、作品として見ると若干違和感を感じた。
ダウン症の青年が主人公と聞くと当初は重たい作品なのかなと思ってたが、あくまで自由に飢えた人物の1人であって、その人間がたまたまダウン症だったなだけであった。
その辺のハンディーを背負った者の描き方は非常に自然で見易かったのは良かった。
作品の内容を重視するというよりは、彼らの笑顔から喜びや幸福を共感し温かい気持ちになれ楽しめた。個人的にはそんな作品だった。
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