「【”君は、マーク・トウェインを読んだ事はあるか?夢を持って、旅に出よう!”縛り付けられた心を解放するために・・。ロード・リバー・ムービーの佳品。】」ザ・ピーナッツバター・ファルコン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”君は、マーク・トウェインを読んだ事はあるか?夢を持って、旅に出よう!”縛り付けられた心を解放するために・・。ロード・リバー・ムービーの佳品。】
ー 舞台はアメリカ南部。揺蕩う流れの川。河岸に生い茂る葦。
長閑な景色が広がっている・・。ー
・が、その川で浮かない顔をして、”知りあい”達のカニ網を無断拝借して、カニ漁をするタイラー。(シャイア・ラブーフ:今作製作中に色々あったようだが、良い)
・閉ざされた空間で、何年も前のプロレスラー、”ソルトウォーター・レッドネック”のビデオを1000回以上も見続けるザック。(ザック・ゴッツァーゲン)2度も逃亡を試すが、その度に連れ戻される。
・ザックの度重なる逃亡により、上司命により、”上に知られないうちに”連れ戻すよう指示を受ける介護士エレノア(ダコタ・ジョンソン:彼女の弾けるような笑顔が、この作品の多幸感を増幅させているのは間違いない。)
■タイラーの浮かない顔、零落した様の理由は劇中描かれる。
”知りあい”達にある腹いせをして、逃げるように川に出るタイラー。だが、タイラーの船には、閉ざされた空間から逃げ出したザックが潜んでいた・・。
ここからの、タイラーとザックの珍妙な遣り取りを含めた”冒険”の面白き事よ。
・サトウキビ畑の中を微妙な距離を置いて進む二人の姿。
・ハラハラする川渡りシーン。
・”神を信じますか?”お爺さんとの出会いと川での禊、そして筏作り。
・様々な出来事を経験し、徐々に絆を深めていく二人の姿がとても良い。
どんどん、開放的になっていく二人。表情も明るくなっていく。
・彼らを追うエレノアもいつの間にか、彼らの珍道中に加わることに・・。
・ザックが素手で捕まえたマス?を焼いてピーナッツ・バターを塗って食べるシーンの3人の楽しそうな姿。
エレノアも、心を許したタイラーに”ある過去の出来事”を口にする・・。
・ザックの憧れの”ソルトウォーター・レッドネック”(トーマス・ヘイデン・チャーチ:劇場で観るのは久しぶり。良い)の粋な計らいにも少し涙腺が緩む。
・そして、”段ボール ザ・ピーナッツバター・ファルコン”と”サムソン”とのプロレス対決。リングサイドで大声を出して応援するタイラー。
・そこに現れた執拗な二人組。
・ああああ・・、 そして、暗転。
<暗転後、スクリーンに映されたラストの爽快感たるや・・。
深い喪失感を抱えたタイラーとエレノアが旅を通じて徐々に再生していく姿と、夢を追うザックの無垢な姿がとても素敵なアメリカ南部舞台のロードムービー>
■エンドロールで流れる曲:カントリー調でシンプルなアコギの音色が印象的
”ああ、わが主よ。身も心も擦り減らしてきた・・。けれど長い夜は明けて、信じ始めています。僕は皆が言う程、壊れていないことを・・。ずっと走ってきたけれど、君に会って、離れられなくなって、僕に家が出来た・・。”
を聴いているうちに、涙が滲んできた・・。
NOBUさんへ
なんか手作りイカダの、流速川下りってのが。そんなのに付き合わされたら、普通キレますよねw
映画での描写は皆無でしたが、彼女にも、なんらかのトラウマ級過去があったんだろうな、って思いました。