「猿芝居」グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
猿芝居
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太宰にしては明るめの作品ですが、そもそも根暗でうじうじした性格なのでケラさんが面白おかしく膨らませたのでしょう、劇中で心中を持ちかけるところは太宰の臭い・・。
文士ばかりがもてるなんて太宰の錯覚、生きる為に進駐軍に体を売った女までいた時代、夫や恋人を戦争で失い、闇市がらみの俄か成金でもヒヒ爺いでも日本人の愛人の方がましだったというのが女たちの本音でしょう。わざわざ当時の実写フィルムを入れてカバーしているが何より戦後を知らない世代ばかりで作っているので時代と暮らしぶりが浮きまくっている。
そもそも舞台演出を映画に持ち込むと極めて不自然、オーバーアクションが喜劇だと言うのはいただけません。笑いのツボは人それぞれだし、好みの問題かもしれませんが私には酷い猿芝居にしか映りませんでした。大泉洋さんと小池栄子さんは地のままでもコメディセンスがある方々なのに妙な過剰演出でぶち壊し、ただラストシーンは秀逸、はじけて見えました。
ご両人は今度のNHKの大河でも夫婦役ですね、三谷演出でどう料理するのか楽しみです。
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