「新たな監督と脚本家で誕生した新たなしんちゃん!」映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 ディンゴさんの映画レビュー(感想・評価)
新たな監督と脚本家で誕生した新たなしんちゃん!
映画「クレヨンしんちゃん」といえば、
「百日紅」原恵一監督、「ガールズ&パンツァー」水島努監督などが手がけて、
多くの名作が誕生しました。
近年は増井壮一氏・橋本昌和氏・高橋渉氏が監督を担当し、
中島かずき氏・劇団ひとり氏・水野宗徳氏が脚本を担当するなど新しい顔ぶれが手がけてきました。
そんな中、私が映画「クレヨンしんちゃん」を久々に映画館で観ようと思ったのが、
今回の監督と脚本家に惹かれたからです。
監督は「ラブライブ!The School Idol Movie」京極尚彦氏。
上記作品などミュージカル演出や3DCGを駆使した手法を得意としています。
脚本は「そこのみにて光輝く」高田亮氏。
血生臭い人間ドラマからラブコメと幅広い作風で映画ファンに人気です。
これまで手がけてきた監督や脚本家たちから一変して新しい方を迎えて、
新しいクレヨンしんちゃんが始まる予感がしてワクワクして、今回今作を鑑賞しました。
今作は、しんのすけが野原家やカスカベ防衛隊たちと始めから敵に立ち向かう事はなく、
1人で敵に立ち向かわなければならない状況から始まります。
これは映画的に良いスタートです。
「ダイ・ハード」なども主人公が1人極限状態に置かれる事から始まる為、
今回しんのすけの状態は子供でも分かりやすい始まりだと思います。
その後の展開もアクションや敵の個性など、子供もそうですが大人も楽しめる展開でとても楽しいです。
ミュージカルのようにキャラが歌ったり音楽を駆使した演出、
ラクガキを3DCGで動かすのは京極監督ならではの腕でしょう。
終盤助けてくれたしんのすけを全員が讃えたと思えば、
追い込まれたら手の平返しでしんのすけに責任を押し付けるという人間のエゴが描かれ、
子供向け映画では中々描かれない負の感情や醜い部分があり、
これは大人にも響きました。
これは脚本の高田氏の手腕でしょう。
こうした新しい顔ぶれによって、新しいクレヨンしんちゃんが誕生したのが嬉しいです。
また、来年の新作がどんな監督と脚本家なのか映画ファンとしては楽しみが増えました!