映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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いい意味で期待を裏切られた
アニメにそれほど親しんでいない人間なので、いかにもアニメ的なキャラクターデザインは普段つい敬遠してしまいます。でも見てよかった。「編集」というテーマを掲げるだけあって、編集の妙を感じられる作品だった。展開がスタイリッシュなんですよね。それと、この作品のように単純化・記号化を駆使してテーマを明確にすることは、アニメだからできることだよなあと思いました。同じ展開を実写でやったら随分不思議な出来になったのではないでしょうか。
つくり手のこだわり
何かを創り出すことに携わったことがある人ならきっとグッとくるものがたくさんあるはず。
幸福は創造の敵だという、ポンポさんの台詞。幸せに育ってきて社会に対して何の不満もなく違和感なく過ごしてきた人は、自分の世界を持ってない。外に閉ざした自分の世界はどこまでも深い。その深さこそがつくり手の創造性を引き出す。
伝えたいことはなんなのか、誰なのか、自分の作品にするためにそこをぶらしては行けない。
1人ではできないからこそ、いろんな人の協力を経て創り上げる。だからこそ、適当になんか出来ない。
ふつうなんて言葉使うもんじゃない。
撮影して編集するというつくり手側のこだわりがこんなにもつくってるんだと、建築も同じなんだな。
何回でも観たいな。ジーンくんの成長物語でもあるけど、ポンポさんの視点で観たらたまらないんだろ〜な〜
2回目も鑑賞。
90分とは思えない作り込み。
自分の気持ちにわがままになれ。
その想いに人は動かされる。
誰に届けたい、誰に見せたい。その軸がぶれなければ、自ずと決断はできるはず。何かを残すことは、何かを切ること。決断の連続はものづくりの真髄かもね。
何故、映画を観るのか⁈
感想
人気の作品だったので観てみましたが、期待以上の傑作映画でした。
自分がなぜ映画を好きになったのかをキャラクターを通して投影できるある意味入子構造の様な気持ちになれました。
・物語
主人公ジーンがプロデューサーのポンポさんのアドバイスを受けつつ映画を作る事で自分を見出すという物語は少年漫画の様な熱い展開で興奮しました。商業映画を作るうえで向き合わなければいけない時間と予算の戦いという映画作品制作以外の視点が入っている点も良かったと思います。
後半の展開がフィクション要素かなり強めな展開になっていてその点は少し気になりましたが、全体としては90分弱という短い尺にまとまっていてあまり気になりませんでした。
また、 SHIROBAKO様に映画作りの裏側を少し観れたことも嬉しかったです。
本編中で拘っていた2時間越えの長編映画の弱点をこの作品そのものが証明するラストは痺れました。
・演出
お洒落な洋画を意識した特殊テロップの出し方、道路の背景に映す回想シーン、興奮した時の電撃の演出、劇中映像とキャラクターの考えのリンクなど視覚的に楽しい演出が多くて楽しめました。
・キャラクターデザイン
キャラクターデザインがワーキング、saoの足立慎吾なので期待通りの可愛いデザインで楽しめました。
・声優
メインキャラクターは俳優さんが演じられていましたが、違和感なく観れました。
総評
期待以上に楽しめた傑作映画。全映画好き必見の愛に溢れた物語は楽しかったです。
最後の一言の意味
最後、あんな監督コメントって一見スカしているように見えるけど。
その裏にはものすごい決断の連続があって、その決断の結果として「これが自分にとってベストだ!」と完成した尺のものを見返してみると、それが「たまたま、」自分が見てほしいと思っていた誰かにとってもベストなものだったと。
そりゃ、一番気に入ったポイントにもなりますわ。深いね。
花譜のサビ入り音量も演出の感じも含めておしゃれで格好いいよ。
アニメーションでやった価値があるっていう感じ。 面白かった。
おもしろくて面白くて、たのしくて楽しくて、涙が出るほど
この絵柄、宣伝だけを見て、この内容、この高まりを感じとれるだろうか、絶対無理だろう。
家族に聞くところでは、アニメで面白いと火がついて映画化されたとのことなので、知ってる人は知ってるのだろうが、少なくとも俺は、映画.com のレビューが無ければ、この映画と出会うことはなかっただろう。ありがとう、映画.com!
映画の一大拠点 "キャリウッド" で超有名プロデューサーだったお爺さんの人脈を引継ぎ映画製作に関わっているプロデューサーのポンポさん、その付き人をしている青年ジーン、オーディションに挑み続け落ち続けているナタリー、ポンポさんが作っているB級映画の常連女優ミスティアの4人で始まり、ポンポさんの脚本でナタリーを主演女優においた映画に名優マーティン・ブラドックを招いてジーンが監督として撮る映画の話。
「プロデューサーってなにやってる人?」という長年の疑問が氷解し、映画製作の面から映画の楽しさを味あわせてくれる。"あてがき" の意味もわかったし。力量じゃ残念ながら文字じゃ表現できないけど、冒頭に書いたとおり、90分間ずっと、おもしろくて面白くて、たのしくて楽しくて、涙が出るほどだったよ。いやあ、最高!!
そして、なにげなく登場してきたジーンの高校時代の同級生アラン。君、すごくいい味出してるよ! きみがいなくても十分面白い映画だったと思うけど、きみのおかげで絶対おもしろさ倍増してるよ! もちろんオスカーにきみの名はないけど、俺が勝手に助演賞をあげるよ!!
おまけ
へえ、制作会社のCLAPって「この世界の片隅で」を描いたチームが作った会社なんだね。今後も期待します!
ここからはネタバレになっちゃうけど、気に入ったセリフ書いて残しちゃお! まだ観ていない人は、これ以降は観てから読んでね。
・ 映画って、女優を魅力的に撮れれば、それで十分でしょ。
・ 大作で心を打つより、おバカ映画で感動させる方がかっこいいでしょ。
・ 一瞬のきらめきを逃さぬよう、絵の感覚を磨いておいた方がいい。
・ その人を見た瞬間に、物語が頭にあふれてくる時がある。
・ このシーンを撮るために、ここまできた。
・ 自分の直感を信じないで、何を頼りに映画を撮ればいいのよ?
・ さあ、現場での思いと編集者としての客観性がぶつかりあう段階だ。
・ 編集者は、初めての観客だからね。
・ なぜ映画を好きになったの? 君は映画の中に自分をみつけたんじゃないの?
・ 君の映画の中に、"君" はいるかい? それが見つかったら、君のアリア(独唱曲)を映画の中に入れればいい。
・ 僕が映画に救われたように、僕が映画を作ってみんなに届けたい。
・ この映画は、あの日の "僕" に向けた映画だ。
・ 夢をかなえようとしている人がいたら、それを手伝うのが銀行マンだ。
・ 生きることは "選択" の連続だ。ひとつを選んだら、他は切らなきゃいけない。
・ だから、切れ! ただひとつ残ったものを手放さないために、
以下は共感はしないが書いとくか
・ 幸福は、創造の敵。現実から逃げた人間は、心の中に自分の世界を作る。社会的不適合者だけが、自分の世界を作れるんだ。
原作を知らずに鑑賞したが、制作陣の一員に居るかのような感動を覚えた
前々から気になっていた作品だが、如何やら原作は漫画なようで…?
元々小規模で「長野に来るかー…?」と思っていたらまさかの近くの劇場に限定公開をしてくれたので急いで観に行った。
編集の裏側を見るということで、「業界用語とか多めの見難い作品かな?」と身構えていた。「映画の良さとは何か」「何が映画にとって大事か」など、本質的な部分を問いながら葛藤や苦悩を追い、「映画を作るとはどういうものか」など、一つ一つを人物たちが説明する有りがちな退屈ストーリーを序盤では危惧していた。
が、その掛け合いが全く持って飽きず、テンポ感がトントンと刻まれていたことや、ストーリの複雑さもなく仕上げられていた。見たことない未来の映像の後はストーリーが巻き戻り、そのシーンを見せてくれるので特に伏線などを考えずとも観ていられる。
また、人物たちの話す内容が一々素晴らしく、普段意識していないような部分を意識させるような作り方にも驚かされた。こればかりは映画を観ないと味わえないと思う。
是非とも機会がある内に観てほしい作品。映画館で観るからこその真価を出す作品。
ようこそ、夢と狂気の世界へ
何の情報もなければスルーしていたであろう作品。見た目で判断してはいけないとは正にこの事ですね。
タイトルにもなっているポンポさんは、映画プロデューサー。一見主役はポンポさんに見えるが、監督を目指すジーンと、女優を目指すナタリーのサクセスストーリーです。
見た目とは裏腹に、キャラクター1人1人が立っており、すんなり作品に入っていけました。
特にこの2人は、自分自身に自信を持てず、苦労してきた過去があるからこそ、頑張っている姿に応援したくなります。
映画作成という一見地味な作業の数々をテンポ良く、そしてノリ良く表現する事で、飽きることなく魅せてくれます。
企画、オーディション、撮影、編集、そしてマーケティングまで、想像以上に本格的な話ではあるものの、説明臭いところは一切なく、それでいて映画製作の大変さ、楽しさ、魅力が表現されていました。
少なくとも、映画好きな人には、間違いなくおすすめな作品ですね。
この作品を観ちゃうと、どんなに自分に合わない映画だろうと、軽々しく酷評なんてできなくなっちゃいます😅
本当に多くの人が関わり、1つの作品を作り上げているんだと改めて感じさせられました。
魂のこもったエンターテイメントが好きなら、一度でも感動したことがあるなら、確実に刺さる作品
大大大傑作。
監督は『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』の人、と言うとわかる人なら即飛びつくでしょう。
クリエイターの、常人とは違う狂気をポップかつエモーショナルに描いている。
この狂気は『セッション』のEDの興奮に近い。
前半からクライマックスまで名言の嵐。
ただのいちアシスタントだったジーンが監督に抜擢された理由が「いちばん目が死んでたから」なのが最高です。
「幸福は創作の敵」だと。目が死んでる側の人間が命を削ってモノを創るとどうなるか?興奮しかない!
映画の”編集”という地味な部分をクローズアップされているにも関わらず、素晴らしいストーリーと演出でエンターテイメントとして成立させているのが見事。
終盤はバトルモノのような興奮がありました。
挿入歌がかかるタイミングが絶妙で!涙で…スクリーンが……。
とにかく見るべき映画!
魂のこもったエンターテイメントが好きなら、一度でも感動したことがあるなら、確実に刺さる作品。
カメ止めのごとく、映画で語っているメッセージを作品そのものが体現している感動もある。ヤラレタ!と笑顔で膝を打っちゃう。見事。
「映画大好き。。。」ってタイトルに惹かれて
タイトルに映画大好きと入ってるので興味あるあるでした。
言葉にジーンと来たり、テンポも悪くなく最後まで楽しめました。
格が違う文句無しの大傑作!
レビューを見て軒並み評価が高いのは知っていたので前々から観ようとは思っていたのだが、上映から3ヶ月弱経ち終了ギリギリのタイミングでようやく鑑賞することができた。
観た感想としては、非の打ち所が全くないくらい面白すぎる!!!……と小学生みたいな薄っぺらい感想になってしまったが、本当にここ数年観た映画の中で5本の指に入るくらいには面白かった。こんなに高評価されているのも納得のクオリティでひたすらスクリーンから目が離せなくなるくらい圧巻の映像体験をさせてもらった。まさにジェットコースターに乗っているかのような90分間だった。
ストーリーとしては「編集」にスポットを当てるというのが斬新で面白いと思った。やはり映画を観る上で注目しがちなのは演技や脚本だが、実は映画をひとつの作品としてまとめ上げるには編集という作業が如何に重要で難しいものかに気付かされた。
いつもなら鑑賞が遅れてしまったら長々とレビューを書いたりはしないのだが、語り始めたら指が止まらないくらいの大傑作なので少し長文になってしまった(笑)。帰宅したら思わず買ってしまったパンフレットにゆっくり目を通して、もっとポンポさんの世界の余韻に浸っていたいと思う。
答えはひとつではない
自分の会社の意味無し会議もネット中継で晒してしまえ‼️
と思った人、挙手願います。
上司の自己満足のための会議、協議をした痕跡を残すためだけの言い訳みたいな会議、決定を先送りすることだけが決まる会議…
この映画、そこじゃないよ!
と分かってはいるのですが、そんな会議はなくなってしまえ、といつも思っているので、意外と刺さってきました。
この映画が『映画製作』という仕事の醍醐味を素人にも分かりやすく、なによりも魅力的に伝えてくれる素晴らしい作品であることは既に多くのレビューが伝えてくれています。
そして、肝となる部分には、世の中のあらゆる仕事に通じる普遍性があることも。
今自分が取り組んでいる仕事は誰のため?ということへの答えは、当然ひとつではないけれど、具体的な誰かを思い浮かべる想像力はどんな職種のどんな仕事でも必要です。
おそらく、世の中で起きている不祥事の類いは、すべてその気持ちを忘れてしまった人たちが起こしています。
仕事で迷いが生じたとき、大物プロデューサーが近くにいなくても(普通はいない)、今やらなければいけないのは、最終的には誰のためか?
そこを起点に始めから考えてみると、あれ?もしかして俺、上司の顔色ばかり見てたんじゃないか、とか、エンドユーザー目線を忘れていたんじゃないか、みたいに道が開けることがあります。
ところで、昨日鑑賞した『ドライブ・マイ・カー』の上映時間はほぼ2倍の179分。
答えはひとつではありませんね。
ようこそ夢と狂気の世界へ
自分は映画を観て、「感動して、エンドロールが終わるのも気づかなかった」ことなど、一度もない。
「現実から逃げて、ここ(映画)しかなくて、だから命をかける」なんてこともない。
ただ、そんな「映画大好き」ではない自分でも、とても面白かった。
リアリティなど、どうでも良い。現実世界でも、監督、プロデューサー、俳優、それぞれ一人として同じ人物などいないはずだから、“不自然”だとか“ありえない”とか言ってみたところで無意味だろう。
出来すぎの“作り話”を、虚心坦懐に楽しめば良いと思う。それだけの豊かな内容がある作品だ。
クランクアップ後の「編集」では、最初は「地球上で一番幸せ」だったが、いざ始めてみると、どれも必要に思えて切れずに苦悩するのは、さもありなんである。
しかし、もっと専門的な話があるかと思ったら、結局、「どうしても伝えたいこと以外は、ひたすら切れ」みたいな抽象的な話で終わってしまって、その点はガッカリであった。
ラストは、主人公の監督の“価値観”を、一方的にまくしたてられて終わる感じであるが、そういう“青臭さ”も悪くない。
自分のような素人に、映画作りのダイナミックなところを垣間見せてくれるような、楽しい作品である。
フィルムにちゃんと
アナログ音声信号とデジタル音声信号がプリントされてるところ好き!
映画化部分の原作はpixivで既読。原作の最大の不満点だった、作中作(『MEISTER』)があんまり面白そうに見えないところが、だいぶ改善されていたように思えた。
普段映画を観てて編集について考えることはほとんどないけど、そこにスポットを当てていて、興味深く観た。まあクレジットが判断する限りは、監督が編集もすることはあまり(ほとんど?)無いみたいだけど。
ビジネスとしての映画製作も(取り上げ方や描き方はともかくとして)少しだけ触れられているが、オリジナル足すなら興行についても拾ってほしかったかな。
なんだかんだ言っても総じて楽しんだけどね。
あと、
●スタンド・バイ・ミー
●LAコンフィデンシャル
●ギルバート・グレイプ
みたいなのなかったのは残念。
芸術とは不幸せの結果である。
劇中「ニューシネマパラダイス」が登場するが、この映画のテーマは「ニュー・・・」と同じく「ものを作るということ」だと理解。
内気な青年の成長物語として観ても充分楽しいけど、この「ものを作るということ」の裏側=高く盛られた土の横には必ず大きな穴があるということを、監督さんが非常に大事にしてらっしゃる気がして、大変共感&感激しました。
とってもおすすめです。
【初映画監督に抜擢された冴えないアシスタント君のプレッシャー、喜び、編集の苦しみを劇中劇とシンクロさせて描く。けれど、尺90分に拘るポンポさんは、本当に映画好きなのかな?】
ー 映画製作現場のリアリティさ、資金集めの大変さのシーンなど、面白く鑑賞した作品。ー
◆少し気になった点
・映画界の重鎮を祖父に持つポンポさんが、序盤に言った台詞。
”長い映画は嫌い!”
ー いやいやいや、幼い頃から祖父と映画を観て、長い映画は嫌だという気持ちは、分からないでもないが、ではポンポさんは、
・十戒
・ベン・ハー
・風と共に去りぬ
・ゴッド・ファーザー
も、嫌いなのかい??ー
更に、ポンポさんは、彼の名作もバッサリ切って捨てる・・。ー
・ポンポさんが、ジーンをアシスタントに迎えた理由。
”他の人は、未来と夢を持って眼が輝いていたけれど、(映画しか楽しみがないので)眼が死んでいたから・・。”
ー いやいやいや。私は、京都芸術大学の映画学科の生徒の、輝く顔を何人も見ているよ!ー
・ジーンが、90分尺に収めるために、編集するときに言った言葉。
”家族”も”友人”も切り捨てなければいけないのだ・・、と言いながら”Delete”キーで編集していくシーン。
ー いやいやいや。編集で、カットするのは仕方がないが”家族”も”友人”も映画を作るうえでは、大切な存在でしょう。セリフにしなくても・・。
◆良かった点
・映画製作現場のリアリティさ、資金集めの大変さが描かれていた点。
特に、級友だった銀行勤めのアランが、ジーンの映画追加撮影のための資金を融資して欲しい・・、と重役たちにプレゼンするシーン。
ー 順風満帆の人生を送って来たアランが、社会人の厳しさにめげ、会社を辞めようとしたときに目に入ったジーンの資金融資依頼の紙。冷たかった上司の粋な計らいと、頭取がアランに掛けた言葉。沁みてしまった好きなシーンである。ー
<映画には、人生の喜び、哀しみ、虚しさ、不条理、怒りが詰まっている。私が、映画は総合芸術である、という思いを持っているのは、万民に受け入れられる娯楽であり、芸術であると思っているからである。
映画に、規範を求めてはいけないと思う。(倫理的に許されない描き方は除く。)
又、映画製作に関わる人を、古臭いステロタイプ思想
ー僕には映画製作しか出来ない・・。社会性を欠いている・・。ー
で捉える事も、如何かと思う。
実際の映画監督の多くの方は、非常に聡明で、社交性豊かな方が多いのであるから・・。>
<2021年8月14日 刈谷日劇にて鑑賞>
粋
周囲の評判があまりにも高いので期待値がかなり高くなりすぎていた。
いや、期待の種類が違うというべきか。
「この作品は涙涙の感動超大作なんだろう。どんなに打ちのめされるのだろうか。」と思って見始めたら涙涙ではなくワクワクが止まらない方の超大作で驚いた。
映画を作るってこんなに楽しいんだということがかなり伝わる映画。
特に撮影をあっさり済ませてその素材をどう調理するかというところに焦点を当てたのはかなり斬新でもあり、編集の面白さを余すところなく伝えていた。
それでいて編集以外の映画を作るのに必要なところも逃すところなく入れ込んでいて本当に素晴らしかった。
最後にこの映画で僕が1番気に入っているところは上映時間が90分であるということだ。
映画製作の深さと情熱を解りやすいアニメに
やっとこの作品を観る事が出来ました。既に公開から2ヶ月程度経とうとしてますが、近所のローカル映画館で巡業公開?で短期間上映されてる情報を得て鑑賞してきました。
キャラも活きてて内容も真っ直ぐで解りやすく、それでいてキービジュアルの見た目に拠らず?結構観応えのある作品です。セリフの所々に『電撃の演出』ソレの様に訴えかけられるものがあり、観ているコチラが内容にココロをシッカリと掴まれる、そんな引き込まれ方をする面白い作品です。
言葉は日本語ですが、設定は映画の本場?ナンチャラウッドを舞台に、登場人物も外国人名、この辺は映画好きな作者のコダワリのようなモノを感じます。また作中で“B級”なる言葉が出ますが、とは言え映画作りに掛ける思いや思想概念の掛け合いに説得力が感じられ、そして深い内容です。
原作者の映画ヲタぶりが垣間見られると言うか、語りだしたら止まらない、そんな勢いを感じました。
ココまで高く評価申し上げましたが、それでも幾つか気になる事も。
まず全体にアップ気味のテンションで展開していきますが、その振り幅は決して大きくありません。主人公の挫折はなく、主人公がもたらす無理難題があまり手数をかけず解決を見せたり、単なるアクシデントだったりのアップダウンがある程度で、絶体絶命のスリルやサスペンスと言う程のハラハラ・ドキドキ感は然程無し。
また主人公・ジーンのソレがワリとテンプレで、このキャラ設定は良しとしてビジュアルに少し工夫があれば良かったかなと。ポンポさんに絵面が負けてる感が否めませんでした。
些細な事ですが、物語はジーンの独り相撲的な立て付けになっており、ライバルなどの存在で対戦的な構図ではないため、風呂敷の広さもソコソコで壮大さはありません。つまりこの辺が“B級”のソレなのでしょう。
そして問題の中の人。コチラに関してもナタリーが結構ヒヤヒヤモノでしたが、大塚明夫&加隈亜衣両氏の個性豊かな本職の演技のヒッパリによって?ナントカ及第レベルを維持しています。
そんな訳で、もう少し早く観賞できていれば良かったのですが、自宅近所で観られた事は好都合でした。ココは僻地なのでアニメ映画を観るにはワリと骨が折れる事が多いのです‥‥
ところで絵面が何となくヒロアカにアスナが出てきた風なイメージに思ったのは自分だけでしょうかw
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