映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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孤立から独立への成長過程
主軸のドラマと、劇中劇の物語が重なり合うメタ構造。さらにコンサートのオーディエンスと、Meisterの観客の姿が、映画鑑賞中の自分自身と重なり、どんどん映画の世界に引き込まれる。
独唱曲である「アリア」を仕上げるには、多くのものを切り捨てなければならない。しかし、歌手一人だけではオペラは成立しない。様々な裏方仕事、オーディエンス、出資者など、多くの支えがあって成立している。
一本の映画が完成するまでの過程と、一人の少年が自立するまでの姿を同時に観ることで、「自分の人生をどのように描くのか、どのように編集していくのか」深く考えさせられる。
編集作業とジーンの格闘シーン、かっこ良すぎる。
絵柄からは想像出来ない
映画作りの大変さ。
スポンサー、お金、人、、全てをクリアしても失敗することがある。
ポンポさんが優秀だったから上手くいったけど、ロスト・イン・ラ・マンチャのような
作品もある。
多分そっちの方が多いのではないのか?
折角撮った映像を削る苦しみも。
全てを背負って撮る。
それでも映画を撮るのをやめられない。
いやぁ映画って良いですね。
予備知識なしで最後まで見た
まったく何の予備知識も無しに、おすすめ録画に入っていた映画を再生したところひきこまれました。「こんなつながりもあるんだなぁ」などと、不思議な感慨にふけっております。 なにしろ最近は2時間の映画を見る時間を作ることさえ億劫で、見始めたと思ったら、他のことに気を取られ、途中で頓挫してしまうことがほとんどです。 映画館で集中して見れば、なんとか「完走」出来るのですが、見に行きたい気持ちにさせてくれる映画が少ないのです。 だからこそ、ポンポさんがこだわる90分という時間に共感するし、映画を見るという行為自体に焦点を当てた映画は、意外と少ないのだと改めて気づかされました。 もうひとつのフックが、コッテコテのアニメ絵であるという点。 上位概念はありませんが、邦画に関して言えば、明らかにアニメが実写作品を凌駕している現実があります。作品世界でのニャリウッドというのはどう考えてもハリウッド映画のことであり、「門前の小僧習わぬ経を読む」を軸にストーリーが展開していきます。アニメ絵に対する拒絶反応さえなければ、実写作品と同じアプローチで映画を語っているのです。 そういう意味では、実写とさえ言えるでしょう。 近年のアニメ『THE FIRST SLAM DUNK』『すずめの戸締り』も、アプローチこそアニメの手法をとっていますが、出来上がりは、もはや実写と言ってもいいでしょう。 トム・クルーズが、見たことのない絵作りに腐心するように、実写であるか、アニメーションであるかは、表現のひとつの手段に過ぎないと思いました。 どうやら原作があるようで、どれほど忠実に映像化されているのか知りませんが、こんなふうに見せてもらえたことに感謝です。 しいて言うなら、劇中劇の形式をとっているので、完成した映画が、どれほど素晴らしいものであるのか、その片鱗だけでも見せてほしかった。
すごくいい
映画製作を夢見る若者を描いた感動作品。 情熱をもって仕事や人生に取り組む素晴らしさがテーマになっているから見ていて清々しい。 しっかり作りこまれていているけどわざとらしく感じることもないし 映画を作る映画自体が映画として高いレベルで完成されているという面白さがある。 本編が90分になっているところにも注目。
映画製作というフィルムを通したオタク・サブカル・クリエイター賛歌、あるいは鎮魂歌
端的に面白かった。情熱のある映画だった。
一部登場人物がコミュ障過ぎる表現で序盤不安にさせるが、最終的には問題なかった。
(ただしメイン女優役の声優のカタコト具合は流石にしんどかったが)
お話の随所に製作者の職業クリエイターを思わせるこだわりのフレーズが随所にあり、
セリフ回しの面白さ・深みに一役買っている。
主人公が選ばれた理由が、社会から追い詰められたオタクだから、というのが既にアニメーション(あるいは漫画)業界のクリエイターそのものなのではないかと思う。
そうやって追い詰められて作るものこそ真のクリエイティブだと、そういったお話なわけだが、
自分が社会から切り離されたように、映画を編集(カット)をする場面なんか、製作者の思いが詰まっているセリフなのではないかと思う。
クリエイティブの業界の周辺にいると、こういった人生の何かを切り捨てて仕事をやっているという人間は少なからずいるわけだが、特に夢とか希望もなく普通に生活しているサラリーマンからすると、この辺りの表現は全然ピンと来ないかもしれない。
自分の好きなものの為に、何かしらを犠牲にして挑戦している人にとっては、共感を得やすい内容なんじゃないかと思う。
そういった”何かを捨てた”人たち(職業としてだけではなく、割り切った趣味をやっている人たち)が、少し甘い夢を見ても良いじゃないっていう、そういう映画。
サブカル好きによるサブカル好きの為の映画。
本編最後の授賞式で、気に入ってる場面とかい本当にどうしようもない質問(少なくとも本編を最後まで見たら、72時間分の90分なわけだから全部気に入ってるに決まっているという愚問)に対して、
「90分なところですかね」というシニカルで職業クリエイターらしい答えをしているところがまた印象深くて良い。
何が好きかといって
ジーンくんの最後の言葉です。 それから、どうでもよい思いついたことを3つ。 ミスティアさんのドレスがウルトラマンぽかった。 ポンポさんの服がセーラームーンぽかった。 スイスのシーンがアルプスの少女ハイジっぽかった。(愛の不時着にも似てた) あと、この映画を見て、映画を見る側から、作る側あるいは配給する側の人間になりたいと思った人もいるのでは。 本編94分。
90分に賛成
ポンポさんって、あだ名?と思っていたら、ポンポネットを略したのか。まだローティーンとおぼしきルックスではあるが、祖父の英才教育を受けた才女であり、鋭敏な感性を備えている。彼女の映画論がいい。90分説、私も支持する。自分が年をとったせいもあるが、長い映画って疲れるもん。 映画一本撮るのも大変な作業だが、編集するのが最も大変なのね。映画監督とは、やはりすごい仕事だ。 映画製作そのものを映画にした、ユニークな作品であり、映画愛に溢れた作品。 BS11の放送を視聴。
十代の映画入門としての推薦アニメ
去年の年末の『かがみの孤城』に続き、本年最初の劇場鑑賞もアニメになってしまいました。 更に『かがみ~』と同様に岡田斗司夫氏が絶賛している“you tube”のサムネだけ見ていて、丁度今塚口サンサン劇場で特別上映していたので、躊躇なく観に行きました(笑) で、私は本作の事は存在すら全く知らなかったのですが、平日にも関わらず(正月休みだから?)結構多くの観客がいたのにもビックリしました。 やはり私世代の映画好きというのは、アニメに関してアンテナの受信感度がかなり低いようです。 まあ事前にチラシなどを見ていたとしても、キャラクターデザインからして直観的に子供向けと判断していたと思いますので印象に残らなかったのでしょうね。これは仕方ない反応だと思いますよ。 でも、この辺りに今の日本のアニメの特徴が集約されているのかも知れません。 つまり、実際に観てみないと作品の実態が分からないという事であり、子供向けだと思い込むのは危険だという事で、この辺りが最近のアメリカのアニメとはベクトルが違っていて、その実情が日本だけでなく徐々に世界に浸透して(特に若者たちに)理解されているから、日本のアニメの評価の高さに繋がっているのでしょうね。 で、感想ですが面白かったです。後半からはどんどんドラマに引き込まれていました。 本作は映画作りの話なので、特に映画ファンなら誰でも引き込まれるでしょうし興味深く観ることが出来る作品です。 (但し、映画ファンには天邪鬼が多いので素直に評価しない人も一定数いるとは思いますが)映画に興味を持ち始めた若い人達にお薦めできる作品になっていました。 私自身50年以上映画を観続けているので、細かなことを言い出すと???な部分もありましたが、重箱の隅を突くのではなく、大筋としての映画の持つ魅力は十分伝わっていたと思います。
映画製作を真摯に描いた秀作
実写の映画制作を描いたアニメ映画というちょっと変わった作りの映画。 キャラクターは非常にアニメ的で、主人公は映画に対して特殊な能力さえある。 キャラクターと比較すると映画制作についてはリアルに描いているらしく、編集や金銭面で苦心するところは興味深かった。 90分という時間が作中でこだわりを持って語られているが、非常に濃密かつコンパクトで観やすくなっている。アニメ映画で子供にも観てもらいたいならこれぐらいの方がいいというのはわかる。本作は内容が大人向きかつテンポが良すぎて子供がついていけるかは疑問ではあるが… 苦労はするものの、主人公がうまくいきすぎでは?と思うところもあるが、とてもよくまとまった秀作。
わからなかった
映画しか見てないので漫画原作だっのを映画を見てから知りました。 裏方を描く、と言うテーマは良かったけど、 「満たされてる人間の表現は浅い、満たされない人間ほどクリエイティブ」(正確な発言は違うかも)というポンポさんの考え方には全くピンと来なかった。実際は満たされてて才能ある人間はたくさんいるわけで、たくさんの幸せな経験をしたから表現が深くなることあるわけで、そこを二極化するのは偏見だし無知では?と萎えてしまった そして90分の映画しかみんな見たくない的な一般化も映画が好きなのではなく商業的にヒットする映画が好きなのではと あと最後の方の銀行内部での会議を許可なく生配信する件、実際やったらコンプラの面で社会的に死ぬと思う
映画の都ニャリウッドで、ニャメリカン・ドリームを掴み取れ!!
実写映画でアニメ映画監督の制作過程と苦労を描いたのが 「ハケンアニメ」なら、 アニメ映画の中に実写映画制作の困難と喜びを描いたのが、この映画 「映画大好きポンポさん」である。 全ての映画好きに贈る熱いメッセージに胸が熱くなった。 映画の都「ニャリウッド」 大物プロデューサー・ペーターゼンの孫に生まれ自身もその才能を受け継いだ 女性プロデューサーのポンポさん。 新作映画の監督に《目の死んだアシスタント》の青年・ジーン・フェイを 抜擢する。 期待に応えてなんとか撮る終えたジーンを待っていたののは地獄の編集作業だった。 「大好きなシーンを削れない」と悩むうちに、 「どうしても足りないシーンの存在と必要性」 に気付いしまう。 完成お披露目に間に合わずにスポンサーは降りて、 ジーンは苦境に立つことに。 生き甲斐のない仕事に悩むエリート銀行員のアランは、 自身の銀行が融資出来ないか起死回生の秘策を練る。 頭取に「夢の実現に投資する銀行」という新しい戦略を売り込み、 多額の融資を勝ち取る。 こうして追加撮影を終えたジーンを待っていたのは72時間あるフィルムを 90分の作品にカットする《地獄の編集作業》 ラストに向かって怒涛のスピード感で盛り上がる編集作業過程の 躍動感溢れる映像のマジック。 過労で倒れたり、悩みに悩んでジーンの初監督作品『MEITAR』は遂に 完成を見るのだった。 映画に取り憑かれた青年のニャメリカン・ドリーム。 映画の魅力を目一杯に訴える《映画の中の映画》だった。 “映画によって救われる人間がたくさんいる“ そう実感する映画だった。
フィルム版
原作未読、35mmフィルム版で初観賞。タイトルから映画製作側に寄せたファン映画なのかと思っていたが、クリエイターの渇望と情熱を凝縮した、創作と生き方に関するメタ作品だった。熱かった。 ヒロインの新人俳優役の声がだんだんうまく自信ある演技になっていると感じられてよかった。 フィルムでの上映作品を久しぶりに観た気がする。元がデジタル製作だからキズ・ゴミ・周辺光量などのノイズは効果なのだろうが、カット位置のパンチ穴まであるのは懐かしすぎてしんみりした。終映後にフィルム版はクラファンで作られたと知り、ファンに愛されている作品だなと羨ましく思った。
やっと見れた(*^ω^*)
映画って見るのも面白いけど、作るのはもっと面白いんだろうなぁ。 ポンポさんがいる限り映画は滅びないと、根拠なしに思わせてくれるくらい素晴らしい作品。 騙されたと思って見てほしい。 そうすれば、みんながポンポさんを、そして映画を好きになるはすだから❤️
物作り系はいいね
アニメ映画は導入部分から面白くて見やすいのがいい 良作でも導入しんどい映画が多くて… 実際にはありえないとは思うけど、まぁ映画やしアニメやしね 夢を追う素晴らしさと作品作りのしんどさを上手く描いてるいい映画でした
映画制作を主題とした映画は斬新だった。 タイトルに関わらず、主役は...
映画制作を主題とした映画は斬新だった。 タイトルに関わらず、主役はポンポさんではなく、新人監督のジーン。 映画愛にあふれていて観ていて気持ちがよい。 また、登場人物も皆良い人ばかりだ。 72時間分撮影し、さらに追加撮影まで行ってから2時間前後にまで削る作業は改めて大変だと思った。 削り過ぎて90分の作品になってしまったというオチもおもしろい。
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