「この作品に満点付けれないアニメマニア、映マニアはいるのか?」映画大好きポンポさん mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品に満点付けれないアニメマニア、映マニアはいるのか?
この作品をひとに勧められてまずネックになるのがこのキャラクターである。このエロアニオタアニメ風主人公にはほぼ誰に勧めても二の足を踏む。絵が嫌いだと。しかしそれが10分過ぎるとそうでないことが分かってくる作者?監督?によるそれが仕掛けであると・・。次にはアニメの動きについてである。最初明らかにキャラは秒6~8コマの動きで質の悪いテレビアニメを見せられてる錯覚に陥る。しかしそれも登場人物が増えるにしたがってその違いがこの画面でのキャラの重要度を図るバローメーターになり最後は普通のコマ12~18辺りまで伸びる。背景も手描直撮り背景からデジタル背景まで場面場面で記号的に使われここでアニメにおける「光」もしくは「光源」の取り扱いの歴史が埋め込まれている。金田伊功から大友、庵野を経て藍に至るまで。特に光と影の表現はフォービズムに強いリスペクトが見られ、それは銀行の壁面一面に多くのマチスが飾られていることからもその意識がよくわかる。銀行の一場面と言えばこれも素晴らしくネットの生配信と言う映画の対極とクラウドファンディングを組み合わせたこれも従来の映画作りとは似ても似つかないプライベートメッソッドと大手銀行の組み合わせ。映画のエピソでは小津組、黒澤組の違いを揶揄したり編集の際のデジタル編集とアナログ編集の違いによる映画製作の苦悩を描いたりもうこれ以上ない盛りだくさんなのである。後音楽についてもオープニングはクラシックなミュージカル風に、エンディングはヒップホップ風のMTVぽく…そして最後映画の長さについて90分を主張していたにもかかわらずこの作品は2時間近くある全く最後の最後まで退屈することなく90分以下にすら感じる面白さを観客に惜しげもなく提供している。こんな映画は見たことがない。満点!!!