「モノ作る人の地獄と天国を」映画大好きポンポさん N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
モノ作る人の地獄と天国を
原作漫画をどこかでチラリ、読んだ程度。
いわゆるお仕事モノだと思われるが、
やはりモノヅクリ、それも映画となれば特殊だ。
そのアートな側面とビジネスとしての側面と、個人の能力とチームの力を
苦悩と成長の物語として
本当に分かりやすく、そしてエキサイティングに仕立てた作品だった。
これは「物語を作る人」ならまずもって、見るべき。
キャッチーな外見だからこそ耳にするり、と入ってくるポンポさんの名言は聞き逃せない。
(おそらく外見がオジサンだったらば高圧的、上から目線ばかりが強くなったに違いない)
初監督に縮み上がりながら奮闘する主人公には共感の嵐が吹く。
(私は監督する予定はありませんが)
中でも一番胸アツだったのは、編集パートだろうか。
選ぶということは、大事なもの以外を捨てること。
捨てる作業が編集なのだ。
それまでの情熱をここで一気に冷やし、
論理的に進める作業に宿る確信こそ、作品へ魂を吹き込む。
それにしても「バクマン」もそうだったが、
監督を務めた主人公はここでも大詰めで倒れている。
命を削るほどだからこそ、素敵な作品が出来るのかと思えば
見る方としては切ないな、と思ってみたり。
そして作中のセリフには監督、庵野さんがかつておっしゃっていた言葉とも被る所が多く、
そちらもやはり、と思ってしまった。
追記
のち、ピクシブで公開中の原作を読む。
スキだと上げた編集パートのほとんどが原作になかった。
(他にももうワンシーン、明らかにない部分がある)
後付けにもかかわらずそこが一番、アツかったというのは、
まさに映画化して「勝った」のだなぁとしか思えない。
アッパレ。
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