赦しのちからのレビュー・感想・評価
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キリスト教布教映画
来そうで来ない。来ても長続きしない。
赦すことにより救われる。
ジョージア州のクリスチャンスクールの生徒ハンナスコット(陸上の選手)バスケットボールのコーチ(監督アレックス・ケンドリック)だったジョン先生とその伴侶。ハンナを育てら祖母。ハンナの父親トーマス(キャメロン アーネット)。
それぞれの心の葛藤が、神により救われたはなし。人を赦すことで自分も救われる。
この映画で一番好きなところだけ書こう。それは、あなたはだれか?と聞くシーンだが、トムがジョンに聞いたとき、コーチとか、先生と答えている。アイデンティティーの核心は一般的に、役職になりやすい。しかし、クリスチャンというアイデンティティーがバイブルベルトのジョーシア州、それに、クリスチャンスクールで働いているのに出てこないのは不思議だった。はっきり言って、神と一緒に歩んでいない証拠だ。現実社会のみをみていると言うことだ。
トムに言わせても、神と一緒に歩んでいないといってるし、『祈りに入れておくよ』と言うことは口癖のようになっていて、クリスチャンでも人のために祈らないという矛盾が生まれてくる。
あとは余談だが、ハンナの父親トーマス役、キャメロン アーネットは
"I am a Christian first. I'm not an actor. I'm not a pastor. I am a son of God and I am a servant of God. That is my claim to fame." とCBN NEWSのインタビューで答えている。だから、仕事も選んで受けるようだ。いくら役だからと言って、飲んだくれで身上をつぶすという役は取らないと言うことだと思う。
ルイス ザンパリーニ (Louis Zamperini)の話を付け加える。
彼は太平洋戦争退役軍人、それに、1936年のオリンピックの選手。彼は戦後、ヒーローとして軍に招かれスピーチをしている時、突然、トラウマになり、その後、アル中になり家庭を失いそうになる。
一般市民として生活ができず、戦争でわたなべむつひろ(The Birdといわれていた) という日本軍人に蛆虫入りのご飯を食べさせられたり、拷問にあったのが、トラウマになり悪夢に出てきて脅かされ眠れない日々を過ごすようになり精神錯乱に陥る。
軍医のアドバイスは強い薬で精神を立ち直させる方法だった。ルイスはこれを受けず、ますますアルコールにたより依存症になりゾンビーのようになってしまう。
伴侶のシンシアはクリスチャンでルイスに教会へ行くことをすすめる。ルイスはシンシアとともに1949年にビリーグラハムのロサンジェルス クルセーダーの集会に行って礼拝の席に着くが、何度かメッセージを聞いているうちに、また、わたなべむつひろ(渡邊睦裕)が幻想で現れ悪夢になって襲ってくる。ルイスは思わず席を立つと、ビリーグラハムが祈りの時に抜けるなと。入り口付近にはまた、ルイスに対するわたなべまさひろの虐待の悪夢が始まるが、これに打ち勝って、ルイスは礼拝所に戻り跪く。
最後は、ルイスは日本軍人わたなべむつひろをゆるすことによりこころが救われる。いじめを受けたものが虐めたものを許す。これほど力強い許しはない。そして、東京の巣鴨の拘置所(?)を訪れる。Unbroken: Path to Redemption(原題)(2018年製作の映画)
Unbroken: Path to Redemption 赦すことは救われる。しかし、虐めたものは虐められたものに直面できず。。。。。。。(結末は興味があったら、調べてみてください。)
赦し
赦す事の美しさ
劇場公開数が少ない事もあり、あまり大きな期待をせずに鑑賞した事もあってか中々見応えのある作品だった。
この作品はタイトルの通りやはりキリストの教えを大切にするいわゆる宗教色が強めの作品ではあるが、無宗教の僕にとってもその辺りは他に置き換えてみる事ができる為普通に楽しめる。
「赦す」という言葉は中々日常生活で生活のある、馴染みのある言葉行為ではないが、自分自身に置き換えてみると人の過ちだったり納得のいかない出来事運命に逆らわず受け入れて次のステップに進む事だと置きかえながら鑑賞していると非常に見やすく楽しめた。
自分自身含め人は誰しもが長い人生の中過ちを犯し、時としては過ちを受けるのではないか。
その時に大切なのは赦しを受け入れる、受け入れてもらう事だとこの作品で実感させられる。
もちろんその赦しを与える、与えてもらう中には愛がないとダメだ。そこに愛があるから赦しを与え、与えられ次のステップに進めるわけだ。
この作品では15年前に娘を捨てるように逃げた父トーマスとその娘のハナーの関係をいわゆる「赦し」の関係としてストーリーは進む。
赦しが与えられるまでもちろんスムーズにはいかないものだが、クロスカントリーいわゆるマラソンといった人生に比喩しやすいスポーツと重ね合わせてストーリーは進む為とても見やすい。
主人公のジョンも不景気から自分の生活がうまくいかずいわゆる気持ちが下降気味であるが、そんな状況、運命を赦し受け入れることで前に進んでいく。
赦すという言葉、行為を決して簡単に語るつもりはないが、赦すという行為は非常に勇気がいる事ではある。
ましては自分が被害にああいその加害者を赦すという事はとても勇気がいる決断である。
ただこの作品を見て改めて思うのは赦すということは相手に豊かさを与えるものではなく、自分の今後の人生の豊かさに繋がるということでもある。
この作品でいえば捨てれたハナーが父を赦す事で、寂しやさ孤独さといった枷から解放されるのである。
その枷から解放された時、人は今までとは違う新しい価値観や視野から物事を見る事ができるようになり豊かな人生へのきっかけに繋がるように思えた。
もちろん何でもかんでも赦す事が自分の豊かさとして返ってくるわけではない。
上でも書いた通りそこには強い愛や信頼があって初めて意味をなすと思う。
非常に美しい作品を見る事ができ、心が豊かな気持ちになり劇場を後にする事ができた。
精神力、否、精神論
景気悪化の影響で人が減り、コーチをする高校のバスケチームが思う様に回らなくなる中、喘息を持つ少女が一人のクロスカントリー部の指導を任された高校教師とその少女の話。
宗教色バリバリの「祈りのちから」episode2という感じで、信仰を押しつけてくる。
しかしながら、信仰心は微塵も持たない自分がみても、ドラマとして面白い。
その辺も祈りのちからと同様。
宗教映画にありがちな全ては神の思し召し、というオカルト要素はなく、飽くまでもそれは切っ掛けであり、寛大な心を持ち誠実に生きることで人生が上手く回るという流れで、何もかも綺麗に進みすぎるけれど、優しくて、温かくて胸アツ。
…あれ?案外自分はマジメなの?お堅いの?と勘違いさせてくれるベタさが心地良い、人生良いとこ取りな作品かな。
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