劇場公開日 2020年4月10日

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「和敬清寂」ワンダーウォール 劇場版 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0和敬清寂

2022年4月16日
iPhoneアプリから投稿

確かに胸の膨らみには目を奪われる。しかし、美人であればひよるとは心根の低いこと。吹けば飛ぶように学生の軽さ。この映画の視点にすら疑問を覚えるが、反転して、そこから社会の構図を導き、そして大学と学生の社会的重みを測り自問する鮮やかな展開。
何故学府が軽んじられるようになったかを考えると、かつてはその身分であった自らを裁くこととなる。無論、学生だけの問題だけではない。大学を動かす大人たちの問題、ここで扱われる官僚化や硬直した機構。しかし、自らを振り返れば自己形成はこのモラトリアム期にあり、そういった塊が次の社会や国家を作る訳で、まだ固まっていない彼らを本当に腐らせてよい訳はなく、性根を問われているのは社会全体であることに気づかされる。合理性に寄っかかって何でもディスってる方が下劣。おっぱいに目がいく方が上等(いや見てたのそれじゃないんですけど…)。
古きものを壊して良いか?合理的に考えれば見落としもある。順繰りにねぶってきた古いタオルケットのようでもある。そこに何があるのか直視して、その意味を考える豊かな時間を与えてくれる。真正面から京大に疑問を呈したNHKには拍手喝采。マサラが良かったなぁ。

Kj