ワンダーウォール 劇場版

劇場公開日:

ワンダーウォール 劇場版

解説

2018年にNHK BSプレミアムなどで放送され、単発ドラマながら写真集発売など異例の広がりをみせた「京都発地域ドラマ ワンダーウォール」に未公開カットなどを追加した劇場版。京都の片隅にある学生寮・近衛寮。その寮は一見無秩序のようでありながら、そこに暮らす「変人」たちによる磨きぬかれた秩序が存在する場所だった。100年以上の歴史を持つこの寮に、老朽化による建て替えの議論が巻き起こる。新しく建て替えを希望する大学側と、補修しながら現在の建物を残したい寮側の意見は平行線をたどり、両者の間に壁が立ってしまう。そんな大学と寮を分ける壁の前に、1人の美しい女性が現れる。脚本は「ジョゼと虎と魚たち」やドラマ「その街のこども」「カーネーション」の渡辺あや。監督は学生時代に自主製作映画を手がけ、「京都発地域ドラマ ワンダーウォール」がNHK入局後の初演出作となった前田悠希。

2020年製作/68分/G/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS

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映画レビュー

5.0今の時代に観て欲しい一本

2020年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

近年の分断を題材とした作品で最も優れた作品の一本ではないか。大学の自治寮の存続を巡って学生側と大学が対立、議論を続けてきたものの、ある日学生課に物理的な壁ができて以降、学生と大学のコミュニケーションは成り立たなくなる。経済合理性を追求して廃寮を強引に進める大学をなんとか止めようと学生側も連日学生課に詰めかけるも、話を聞くものはいなくなってしまう。やがて学生側は何と戦えばいいのかわからなくなり、学生側の中にも分断が生まれていく。
民主的な自治で寮を運営してきた学生たちが、全く民主的でない態度の大学側に窮地に追い込まれる。話し合いは時間の無駄で経済的に合理的でない、スピードばかりが重視され、学生の声を無視して計画を進めた方が世の中の競争には勝ちやすいのだ。
学問も何もかも、あらゆるものが合理性に吸収されていく世の中を、一枚の壁をモチーフに見事に描いている。渡辺あやの脚本は本当に素晴らしい。

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杉本穂高

5.068分なのに120分ぐらいの見応え

2022年8月5日
iPhoneアプリから投稿

大ファンの脚本家、渡辺あやさんの作品なのにテレビドラマ版を見そびれてしまっていたので、劇場版は必ず、と心に決めて見に行きました。
この度2022/7/23は二度目の鑑賞でしたが、68分という短い上映時間の中に詰まった「素晴らしく濃くて深いメッセージ」と「非常に高いレベルの映像音楽表現」を一人でも興味ある方に見て頂きたいと思って紹介します。

この映画は、築100年近くになる大学寮の存続か建替えかの攻防を描く物語ですが、その中に「寮で生活する学生たちの、独特のキャラクターとそこに基づく自治や文化」を鮮やかに、自由に、生き生きと、でも迷いある青き春としての描写が包含されています。

物語を通じて、映画は問いかけます。
長く学生と営みを続け、そして時代とともに在り続けた寮の存在は、「経済至上主義が社会の幸福にとって一番に必要なのか」「私たちが幸せになるためには、この寮で受け継がれていることこそが本当は必要なのではないか」ということを。
この問いは、まさにこの数十年の間に私たちが忘れ去ろうとしている『大切にしなければいけないこと』を思い出させ、映画のメッセージとなって心のなかに降りてきます。

特に、最近の「生産性や効率重視の考え方」や「弱者を切り捨て排除する」、多様性とは嘘ばかりの、世の中の動きに嫌悪感を覚える自分の感覚とこれほどシンクロした映画は久しぶりでした。
脚本を書いたあやさんも「権力側の人が知らないうちにどんどん社会を変えて行こうとする恐ろしさを感じる」と言っています。私も本当にそう思います。

昭和の青春時代を思い出し、あの頃の、今よりも自由闊達な空気を取り戻したいと思いませんか。
若い人なら、そういう時代の空気に触れてみたいと思いませんか。
それは空しい理想かもしれない。でも、理想を追うことは人間のとても大切な在り方というか価値というか、そういうことだと思うのです。

現在はAmazonプライムで見放題メニューで上がっていますので、会員の方はいつでも見れます。
渡辺あやさんの、絶妙な距離感と対話で描かれる素敵な世界(私はこの世界観が本当に大好きなのですが)を体験し、この先の未来をちょっと立ち止まって考えてみませんか。

個人的に、映画を見ていろいろ考えることが好きです。名古屋で「映画サロン」に参加するようになってこの作業は一層濃密なものになっています。これからもエンタメを通じて刺激を受け、考え続けたいと思います。

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mayuoct14

1.5シン京大吉田寮物語みたいな‼️❓

2022年5月3日
PCから投稿

ドキュメンタリー風だし、京大の事を映画にしてるとしかみえないですが、見事にフィクションです、まるで現実の要素ゼロのシロモノです。
ロケ地が京都府庁であることは良いとして、内容はまるでウソ丸出しです。
現実を知るものとしては、痛いですね、これが本物だと思われることに。
完全な創作だと割り切れば良いのかもしれませんが、取材を手抜きするためのエセドキュメンタリーのような気がして、嫌悪感を覚えました。
これは全部ウソだとゆうこと前提にして観てください。

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アサシン5

4.0和敬清寂

2022年4月16日
iPhoneアプリから投稿

確かに胸の膨らみには目を奪われる。しかし、美人であればひよるとは心根の低いこと。吹けば飛ぶように学生の軽さ。この映画の視点にすら疑問を覚えるが、反転して、そこから社会の構図を導き、そして大学と学生の社会的重みを測り自問する鮮やかな展開。
何故学府が軽んじられるようになったかを考えると、かつてはその身分であった自らを裁くこととなる。無論、学生だけの問題だけではない。大学を動かす大人たちの問題、ここで扱われる官僚化や硬直した機構。しかし、自らを振り返れば自己形成はこのモラトリアム期にあり、そういった塊が次の社会や国家を作る訳で、まだ固まっていない彼らを本当に腐らせてよい訳はなく、性根を問われているのは社会全体であることに気づかされる。合理性に寄っかかって何でもディスってる方が下劣。おっぱいに目がいく方が上等(いや見てたのそれじゃないんですけど…)。
古きものを壊して良いか?合理的に考えれば見落としもある。順繰りにねぶってきた古いタオルケットのようでもある。そこに何があるのか直視して、その意味を考える豊かな時間を与えてくれる。真正面から京大に疑問を呈したNHKには拍手喝采。マサラが良かったなぁ。

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Kj
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