「禁断と謳ってる時点で寒い」Red ビビさんの映画レビュー(感想・評価)
禁断と謳ってる時点で寒い
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初日鑑賞。すごい観客が少ない。
まず、不倫や愛憎劇の描き方が古い。小説の文体がどうとか監督が言ってるのをパンフレットで見たが、イラッとするくらい自分に酔ってる感じがする。
森田芳光「失楽園」は渡辺淳一の愛の物語を、映画的なアプローチで「浮雲」のように人間哲学にまで落とし込んだ傑作だが、この映画は悪い意味で、原作の世界観を自分の大好きな映像で映像化しましたってだけの映画にしか思えなかった。
理由は一つ、パンフレットにあるように監督三島有紀子自体のものの考え方が非常に古いのと、概念がパワハラじみている。小説が大好きなのはわかるが、映画に落とし込むのに、自分があるようでなさ過ぎる。蜷川実花にも言えることだけど、映像全般(ルック)に自分の美学が行きすぎていて、肝腎要の映画を観に来ている我々が「?」とならざる得ない。
SEX描写は、昨今激しいのがあり過ぎて、美術的には美しく見えたけど、少ししつこい。火口のふたり はひつこいとは感じなかったから、この人の場合、やりたいからやってんだろう。
台詞での説明がないのが好感を持てたくらい。でも演出が劇的過ぎて結局±0になっちゃう。
この人は「幸せのパン」なんだと思った。
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