「どうして誰もかれも過去を振り返りたがるのだろう。」NO SMOKING はるさんの映画レビュー(感想・評価)
どうして誰もかれも過去を振り返りたがるのだろう。
人はいくら多くの経験をし、その経験を積み上げたとしても、それで自分を肯定したり、満足することなどできやしないんだよ。いまある状態の中で、自分の望ましい生き方をし、その中に意義を見出していくものなのだ。そんな生き方ができればそれに越したことはない。
「はっぴいえんど」「ティパンアレイ」も「YMO」も過去の遺物でしかない。いまも色あせることはないような気もするけれど、過ぎ去ってしまった美しい曲たちなのだ。思い出すだけ息苦しくなる人たちもいる。細野晴臣は分かっているのだ。残された時間が少ないということを。
だから、画面の中で呟いたのだろう。「やっと、歌うことが好きになった。愉しくなった。」と。
音楽で一番難しいのは、やはり、歌うことだったのだ。
50年もの時間を費やして得られたそのことを彼は誰に伝えておきたかったのだろう。。。。。
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