「映画は都合の良いタイミングで逝けるけど」痛くない死に方 @花さんの映画レビュー(感想・評価)
映画は都合の良いタイミングで逝けるけど
理想の死に方ではあるが、現実味がない
介護したことがある家族視点からしたら、いつか終わると分からない終末期を自宅で行うことは容易じゃない。
私の祖母も認知で自宅介護をしているけど、週に3回のデイケアにお世話にならないと風呂すら入れない。
家で完璧に最後を看取るなんて、本当に理想郷だと思う。
ひどい言い方かも知れないけど、生きている人の負担にならない最後ってあると思う。
病院で管だらけだろうが、自宅で介護疲れだろうが、最後を看取る家族の決断が優先されるべきだと思う。本人の意思よりも。
それでも自宅で死にたいというのなら、それなりの蓄えや手続きを頭のしっかりしているうちにするべきだし、家族の人生を自分の人生に巻き込めるだけの関係性を築いていないと難しい。
ましてや、共働き当たり前の世の中で、いったい誰が老人の最後を看取るのか。
最後まで命を長らえさせようとしてくださる医療関係者の方や終末期医療に関わる看護師さんや介護職の方々には本当に頭が上がらない。
映画のストーリー的には前半戦はかなりしんどい。
黙々、淡々と介護の様子が描かれる。
後半からは何故か陽気になんちゃって短歌とか詠み始めて、あんな生きるか死ぬかの瀬戸際で鉛筆なんか握れねぇよと思わず突っ込みたくなる。
我が家も一度、キチンと家族間で今後の話をしなくてはなぁ。とひと事とは思えない、なんとも複雑な後味が残る映画でした。
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