「【”リビング・ウィル” ”終末期の人間にとって、尊厳ある死とは何か・・”を考えさせられた作品。】」痛くない死に方 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”リビング・ウィル” ”終末期の人間にとって、尊厳ある死とは何か・・”を考えさせられた作品。】
■感想<Caution! 下記、内容に触れています。>
1.序盤
・在宅医の道を選択した河田(柄本明)が、深夜にしばしば呼び出される生活と、彼自身の在宅医になった本位が、自分の立身出世であったことを妻に見透かされていた事もあり、家庭が崩壊し、自分が診察していた患者を”苦しませて殺してしまった・・”と言う事が描かれ、鑑賞するのが、可なりきつい・・。
それは、末期の肺癌患者(と病院で診断された)を演じた下元史朗さんの鬼気迫る姿に圧倒されたからでもある。
ー 厚生労働省は、在宅医療を数年前から推進している。今作で間接的に描かれているような、在宅医になった方が、その後の医師としての処遇が有利になるという話は、公にはない・・。-
2.中盤
・悩んだ河田が、在宅医のベテラン長野に相談するシーンで、長野から言われた事。
・病院のカルテを信じるな。患者の状態を自分の眼で見て、判断しろ。
・生きる事は、食べる事。
・病院は、患者の死を敗北と考える。だから、延命処置をする。身体中に、チューブを挿入されて・・。
ー 今までの、自分の中の常識がガラガラと、崩れ落ちていく。長野医師の名言の数々。-
・長野が担当していた、死を迎えたお婆さんの臨終の場のシーン。
老婆が、まるで生きているかのように、話しかける長野の姿。周囲に大勢集まった子供、孫たちの笑顔。
ー 河田の愕然とした顔。そして、”自分が殺してしまった”患者に対して、独り墓参りする河田の姿。複雑な思いで、供えられた花を見る患者の娘、智美(坂井真紀)。ー
3.後半
・大工の棟梁で、末期癌患者、本多(宇崎竜童)の在宅医となった河田と、本多や妻たちとの”川柳”を通した楽し気な会話。
ー 本多の明るいキャラクターと、自分の病を川柳に面白おかしく読み込む姿に、”不謹慎であるが”笑いが出てしまった・・。
そして、美しき月を愛でながら皆が、酒を酌み交わすシーン。
本多の男としての度量の大きさと、強がる姿。だが、隠しきれない死への不安を、宇崎竜童が飄々と演じている・・。
河田が墓参りを続ける姿を目にした智美が、河田の後ろ姿に対し、深々と頭を下げるシーンも心に沁みる。-
<今までの、終末期医療に対する私自身の概念が、大きく揺らいだ作品。
日本人の平均健康寿命の半分程度の年齢の自分にとって、終末期までは(飲み過ぎや、事故に巻き込まれない限り・・)マダマダあるが、両親の事も考えると、終末期医療について、自分のスタンスを真面目に考えなければいけないなあ、と思った作品。
更に言えば、終末期医療を自宅で受けるには、”相当の財力と近親者の理解がないと難しい”という事も分かった。
では、自分は今後何をすべきなのだろうかという事を、そろそろ考え始めなければいけないとも思った作品でもある。>
■最後に
・病院医療従事者、在宅医療従事者の方々の現況におけるご苦労、ご心痛には本当に頭が下がる。政府は、様々な支援金を打ち出し、経済活動の活性化に努力しているが、医療従事者の方々に対する支援を、もっと拡充するべきではないか?
医療従事者の方々のボーナスが減った病院とか、昇給率が低下した医療団体とか、そちらへの支援金をより強化するべきではないか、とこの一年ずっと思っている。
財源がないならば、どこぞの額に汗せずに株で儲けている輩から、取り立てては如何か?
あと、内閣官房コロナ対策室で勤務する方々への、キチンとした配慮もお願いしたい。
・・すいません。会社モードになってしまいました・・。
<2021年3月6日 刈谷日劇にて鑑賞>
本当に、筋力と心肺機能の維持が何よりですよね。
数年前に癌で床に就いていた時期がありまして、おかげさまで現在はすっかり完治しているのですがその時期の筋力低下が著しくて!
それまでは結構筋力に自信あったのですけれど、か弱い女性が「重くて持てな〜い」と言うのはぶりっこではなくこーゆーことだったのか!と目から鱗とゆーか痛感してます(笑)
一度体力落ちると、以前には容易に出来ていた事がこんなに苦しいものか!と。リハビリを舐めていました〜。
筋肉無くなると太りやすくなるし、かといって少し無理すると膝やら頸やら痛くなる〜(涙)
NOBUさんを見習って、少しでも運動に励む所存でありますw
(コメント、消えちゃうんですか!せっかくの楽しいやり取りなのに勿体ないですね。運営さん、なんとかならないのかしら)