「教師たちへの応援歌」マイ・ビューティフル・デイズ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
教師たちへの応援歌
ティモシーシャラメくん、
なかなかです。キャラクターはぴったりです。
そして対峙する若い国語教師のみずみずしさがね、これがとても良いんですよ。
中高生の頃、ひそかに憧れた教育実習生(教生の先生)たちのことを思い出すなぁ。
・・昔のイタリア映画ならば、思春期の男子生徒と、生徒を惑わす肉感的な女教師との“初体験”もので、ちょっとありきたりな筋書きになったところでしょう。
でも本作は、
・抗精神薬を服用する男子生徒と、
・母親を亡くした痛手を隠す新任教師と、
・ゲイの同級生と、
・自らの限界に気づいている演劇好きの金持ちの女の子、
この4人の旅の物語。
― 時代は変わりましたねー!(笑)
「長く教師を続けるコツを?」
「まあ 深入りしないことだね」
「内面まで面倒を見ることは出来ない」
「問題なく卒業させるだけ」
引率教師たちの冷めた本音がこぼれている。
これは
生徒をさばくコツを見つけた中堅教師と、教師になってまだ日も浅い女教師の立ち話だ。
「先生あなたは弱い者たちのの代弁者なのかーッ!?」尾崎豊は歌ったが、
かつては敵であり、今は同僚となった男性教師の前でのレイチェルの、大揺れに揺れる葛藤の表情は、これは見るべき。
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中学生の頃の僕は、先生たちを困らせたチャンピオンだった。
「『中学生らしい』とはどういうことですか、教育者ならあなたの言葉で答えて下さい」と問うたら先生たちは、校長も含めて一人残らず口を閉ざして逃げてしまったんですよ。やれやれ。
教師職の皆さんには、ずっと熱くいてもらいたいなぁ。 自己研鑽の姿を先輩として我々に見せてもらいたい。「智」の探求と教育学へのたゆまぬ開拓を続けていてもらいたい。
僕を教えてくれた教生の先生たちは元気にしておられるのだろうか、
経験まだ浅い先生たちにも、ちょっと一服が必要な時が来たらこの作品、ぜひ観てもらいたい映画でした。
挿入歌もオススメ
名曲揃い
ロックグループ アメリカの「sister golden hair 」がしみるから。
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障害もちの男子生徒登場のスクール映画と言えば「ウォール・フラワー」(壁の花)も秀作。
ノーマライゼーションの開花です。
エマ・ワトソンが助演します。