劇場公開日 2021年5月28日

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「どこか抜けが悪い北斎のような気がした。」HOKUSAI はるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5どこか抜けが悪い北斎のような気がした。

2021年6月28日
PCから投稿

もう随分昔に観た新藤兼人の「北斎漫画」の影響だと思うのだが、なんだか見心地の悪い映画だった。監督も役者も懸命になって演じるから窮屈な気持ちにさせられた。若かりし北斎の苛立ちは子犬のマスターベーションみたいだった。老齢の北斎はユーモアのない偏執病患者のようでサメ肌を隠す美人のようだった。唯一、感心させられたのは自然が北斎の苛立ちを諫めて絵師としての感覚を手に入れたところが見事に描かれていたところだ。人間の頭の中だけで緻密に作り出された"江戸"という都市では頭の感覚ばかりが鋭さを増すばかり。体の感覚は忘れ去られてしまう。
絵を描く人間にはとても生きずらい空間なのだろう。いまの東京となんら変化はなし・・・て、ところか?

はる