劇場公開日 2021年5月28日

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「脚本は今一つ気に入りませんが、次の時代劇に期待です」HOKUSAI お抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0脚本は今一つ気に入りませんが、次の時代劇に期待です

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、無名でお金もない若き北斎が高名な花魁の裸を描写するシーンがありますが、この当時、高名な花魁には金持ちであってなかなか会うことができず、ましてや一見さんが会うことは非常に困難と聞いたことがあります。
この時点で、この作品大丈夫かなあーと不安になりました。
映画は4章立てで、第1章はライバル(歌麿、写楽)、版元(阿部寛)の絡みもあって持ち直して結構楽しめました。ただ、2章以降は、話が全然盛り上がらない。
高名な富岳三十六景を描いたのは老年期だし、ネタはありそうなんですけどね。老年期を演じた田中泯さんの演技は悪くはなかったです。

不満な点をあげると、
・描かれた場面が歴史上のどの時代にあたっているのか説明がないので理解しずらかった。
・絵は世の中を変えることができるという北斎の信念は結局どうなったんでしょうか?
・終盤で新旧2人の北斎が描く浪の絵は何でしょうか(小布施の絵?)
・△△を斬首扱いした時点でやはりこの作品の脚本はダメだと思いました。
 (武士にとって切腹は名誉ですが斬首は重罪の場合です。あの描写はありえない)

他に書いている方がいらっしゃいますが、スターダストプロモーションの社長夫人が脚本・製作されているとか。さらに、北斎(老年期)の娘役で出演もなさっている。
(同事務所所属 北斎(青年期):柳楽優弥、妻:瀧本美織 他)
時代劇はお金がかかるので製作しにくいと聞きますが、大手芸能プロダクションなら資金面の不安はないでしょう。次回作に期待します。

お抹茶